こがねっと。Vol.14
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 完全鏡視下手術は、以前のように開胸して直接臓器を覗く手術と違い、胸腔鏡というカメラを通してモニターを見ながら手術をするというものです。開胸手術よりも傷口が小さくて済むのが特徴で、早期のがんによく適用されます。 基本的には完全鏡視下手術も開胸手術も、アプローチが違うだけで”がんの根治“という目的は一緒ですから、どちらを選ぶかはケースバイケースです。美容的に必要であればバランスを見て完全鏡視下手術。体力のない患者さんには、手術時間を短くするために開胸手術、といった具合です。また痛みにも個人差があります。傷が大きいからと言って一概に痛いというわけではありません。確かに、筋肉を切る量は完全鏡視下手術の方が少ないですが、臨床的には、まず差はありません。 つまり完全鏡視下手術がより良いとか、開胸手術が昔の手術というわけではないんです。”傷が小さければ良い手術“と勘違いされがちですが、それは大きな間違いです。やはり手術の基本である”治す“ための選択が一番大事だと考えます。 今はテレビなどで情報が氾濫していますが、きちんと専門医に話を聞いて、そこでご自身に合った治療法を選ぶことがベストだと思います。 ただ、情報を持っておくことは大事です。例えばセカンドオピニオンなどは、遠慮なく主治医に相談していただきたいと思います。特に高齢の方は遠慮して言い出しにくい方が多いようですが、ぜひ多くの専門医の意見を聞いて、自分に合った治療を受けていただきたい。きっとそれがご自身にとって一番良い選択になると思います。Thoracic surger肺がんは早期発見が最も重要納得いくまで相談し自分に合た治療法を選択してください❹「呼吸器のがんに関するお話」しく「正知る」ということ2

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