こがねっと。Vol.19
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 心臓は、心房内で作られる微弱な電流が心室に流れることによって活動しており、血液を全身に送り出すためのポンプの役割をしています。その電流が異常な働きをして、不整脈が起こります。特に高齢者に多い不整脈が、心房細動です。心房が細かく早く動いてしまう疾患で、60歳前後から増加し、80歳になると20人に1人ほどの割合で発症します。心房細動になると血液を送り出すポンプの役割がうまく働かなくなります。淀んだ血液によってできた血栓が頭に飛び、脳梗塞の原因にもなります。基本的な治療として、肺静脈の周囲の心筋を高周波という電気を使ってポツポツと、少しずつカテーテルで焼灼していくカテーテルアブレーションという手術を行います。 心臓は右心房の上のほうにある洞房結節から電気信号が作られ、房室結節を介して心室に伝導することで心臓全体に伝えられます。発作性上室性頻拍には、これらの洞房結節や房室結節の近くで発生する心房頻拍があります。治療時には正常な組織の近くを焼灼する必要があり、場合によってはペースメーカーを入れないといけなくなるリスクがありました。 私は長年の研究の末、エントレインメントという方法を使うことで、従来のリスクのある場所から離れた場所の焼灼で、頻拍が安全に治療できることを証明しました。それによって洞房結節や房室結節の近くで発生する心房頻拍がより安全に治療できるようになりました。論文を発表したり、不整脈学会のセミナーなどで定期的に講義を行うことで、症例とともにより安全な治療法を周知しています。❻カテテルアブレシンは不整脈治療におけるカテテル手術ですより安全な治療法を発見・証明し合併症のリスクを回避循環器内科部長の折田義也先生にお聞きしました。新古賀病院Yoshiya Orita折田義也(おりた よしや) ■新古賀病院 循環器内科部長 不整脈治療部門担当  〈循環器内科〉プロフィール■日本内科学会認定内科医■日本循環器学会専門医■日本心血管インターベンション治療学会 認定医■「ペーシングによる心不全治療」 「植込み型除細動器」■心電図検定1級マイスター「大動脈弁狭窄症に関するお話」3しく「正知る」ということのをるのな治療法をしす

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