こがねっと。Vol.19
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 インペラは生命維持装置と血液の循環補助装置の役割を果たします。インペラが適応される症状で代表的なものは、重症の急性心筋梗塞です。インペラは、心臓の中に小型のプロペラつきカテーテルを挿入して、血液を大動脈に吐出する、というシンプルな道具です。導入以前は、心臓の負担が大きい補助人工心臓を使用していました。インペラは挿入したプロペラが心臓の動きを邪魔することなく、心臓の役割をほとんど代行してくれるため、心臓の負担が軽くなるというメリットがあります。 血圧の急激な低下を引き起こしたショック状態の心筋梗塞の場合は、治療の前にインペラで心臓の負担を取り除きます。血流を良くすることで心臓がどんどん楽になります。長期的にも急性期にも効果があり、心不全の再発も予防できます。 今までの心筋梗塞の治療では、ショックの状態で来た心筋梗塞の方は、どれだけ急いで治療しても2人に1人しか助かっていませんでした。インペラを使用することで、助かる割合は7〜8割まで劇的に上がりました。亡くなる人をより少なくできるというメリットは明らかだと思います。 本人、家族が「長生きしたい」、「なんとか助かりたい」と言われている間は、私たちが諦めるわけにはいきません。私の知識だけではなく、いろんなスタッフの知識を集めながら、なんとか1%でも患者さんが助かる手術をするというのが私の信念です。❽インペラが心臓のポンプ機能を代行し詰また血流を改善しますシク状態の心筋梗塞における生存率が上昇しました循環器内科副部長の福岡良太先生にお聞きしました。新古賀病院「大動脈弁狭窄症に関するお話」4しく「正知る」ということRyota Fukuoka福岡良太(ふくおか りょうた) ■新古賀病院 循環器内科副部長  ストラクチャー部門担当 〈循環器内科〉プロフィール■日本内科学会認定医■日本循環器学会専門医■日本心血管インターベンション治療学会認定医がるをするのがのす

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