社会医療法人天神会 2024年度 年報
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ご挨拶新古賀クリニック診療科新古賀病院診療科古賀病院21診療科新古賀リハビリテーション病院みらいみらい介護医療院矢取事業部辺春診療所教育研修部野伏間事業部社会医療法人 天神会 副理事長  平 松  義 博 2024年度は、医療・介護・障害福祉の3制度の同時改定となる6年に一度の年でした。少子高齢化のさらなる進行、人口減少社会の到来もあり、医療介護人材の不足といった社会環境の中で、国は制度持続可能性を高めることを大きな目的と考えています。すなわち診療報酬改定では、1.人材確保と働き方改革の推進、2. 地域包括ケアや医療DXの推進、3.安全・安心で質の高い医療の推進、4.効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性などの向上を4つの柱としました。また、介護報酬改定では、1.地域包括ケアシステムの深化・推進、2.自立支援・重度化防止、3.働きやすい職場づくりと良質な介護サービスの効率的提供、4. 制度の安定性と持続可能性の確保、をポイントとしてあげています。社会保障財源の確保と、働き方改革の推進というある意味二律背反ともいえるテーマの解決へ向けて困難な状況は続きます。こうした視点では、法人はタスクシェア、タスクシフトの推進、医療DXの推進で大きな成果を上げた一年ともいえます。看護部では特定看護師の養成が確実にすすみ、救急や集中治療室、手術室をはじめ様々な臨床現場で大きな役割を果たすようになりました。臨床工学技士や放射線技師のタスクシフトで果たす役割も大きくなっています。医療DXの推進は、SE室のみならず医師クラークやリハビリテーション課などで早い展開で臨床応用され、時間の有効利用が現実のものとなっています。 さて、天神会はこうした経緯もあり今年度も順調に経過した一年であったと考えます。急性期医療では、新古賀病院の外来・入院診療は一年を通じて飛躍的な発展を継続しました。古賀病院21は新型コロナ感染による影響を脱し整形外科手術件数は回復し、泌尿器科では前立腺癌への「タルサ治療」という画期的な治療が開始されました。回復期・生活期医療・介護では、急性期医療との連携が具体的なカンファレンス参加という形で、さらに進展しました。実は、新型コロナ対策の公的補償が終了した今年度は、全国の急性期病院では稼働率は低下し、経営的に非常に厳しい状況が続いています。患者さん、利用者さん、そしてそれぞれの家族の皆さんの天神会への信頼を引き続き継続していくためには、すべてのスタッフの日々の努力が今後とも重要となると考えます。 新古賀クリニックの移転新築工事が始まりました。2027年完成時には新古賀病院東棟と連絡通路も造設され、これまで以上に新古賀病院との直接的な連携が容易になります。また、小郡地区では念願であった、三沢地区への移転へ向けて2027年着工という具体的なスケジュールを定め、「日本一の身体活動量を誇るリハビリテーション病院」をキャッチフレーズに建築計画をすすめています。 2025年度は2025年1月に誕生した米国政権の様々な施策が、日本の社会情勢にも大きな影響を与えそうです。(原稿は2025年5月時点)1985年のプラザ合意によりドル高、貿易不均衡の解消のため、1ドル250円から120円までわずか二年で急速に円高が進行しました。この時の政策の誤りからバブル経済とその後の急速な経済停滞の路をたどった我が国の歴史があります。様相はかなり異なりますが、いずれにせよ社会保障制度にも大きな影響がもたらされることは避けがたいと思われます。法人の理念「人々の豊かな生涯を支援する医療・介護・教育」の実現を引き続き着実に進めていきましょう。— 3 —社会医療法人 天神会副理事長挨拶

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