診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録 2024年度は、40人の新入職員を迎え、新たなスタートを切りました。天神会の理念である「人々の豊かな生涯を支援する医療・介護」の実現に向けて、それぞれの部署でスタッフ一丸となって取り組んできました。 2024年度は、看護部として次の3つの目標を掲げ、活動を進めてきましたのでご報告いたします。1. 自分の行動の意味を考え、安全・安心な看護の質向上に 繋げる2. 看護の視点で業務改善に取り組み、病院経営に参画する3. 向上心と創造力をもち、人間性豊かな看護師を育成する<目標1について> 安全・安心で質の高い看護の提供に向けて、患者様一人ひとりの状態を多職種で共有し、急変リスクの早期発見と対応力の向上を図ってきました。RRS(院内迅速対応システム)の試験導入により、異常の早期キャッチと専門的対応が可能となり、患者様の安全確保に寄与しています。 入院生活においては、入院時から退院を見据えた関わりを徹底し、ADLの維持・向上支援、栄養状態の改善、口腔ケアの実践など、QOL向上に向けた取り組みを行いました。特に口腔ケアでは、月間テーマを設けて多職種で連携しながらスタッフ教育を行い、継続的なケアの質向上を目指しました。 患者満足度調査では、「看護師の言葉遣いや態度」に関する項目において、2022年度の「満足」「やや満足」回答率90.2%から、2024年度は94.8%へと向上しました。これは、看護師の対応に対する信頼と安心感の広がりを示していると考えます。今後も接遇研修やフィードバックの仕組みを継続し、患者様に寄り添う姿勢を大切にしながら、さらなる満足度向上を目指していきます。(表1参照)表1.患者満足度調査(看護師の言葉遣い態度)東5階病棟東6階病棟東7階病棟本4階病棟本5階病棟本6階病棟<目標2について> 業務改善と経営参画では、5S活動の実践により病棟内の整理整頓が進み、必要物品へのアクセスがスムーズになりました。物品配置や在庫の見直しにより、物品ロスの防止にもつながっています。さらに、カンファレンスや委員会活動を通じて、スタッフ一人ひとりが病棟の稼働状況や病床利用率、在院日数の目標を意識して日々の看護に取り組んでいます。 また、生成AIの活用も進め、業務の効率化を図りました。特に、ChatGPTを活用した看護添書や要約の作成では、時間短縮を実現し、業務効率の向上に寄与しました。<目標3について> 人間性豊かな看護師の育成においては、心理的安全性を重視した職場環境づくりを推進しました。日々の声かけやリーダーからのフィードバックにより、スタッフが安心して意見や不安を共有できる組織風土を醸成しています。 新人教育では、先輩看護師とのペア活動や定期的な面談を通じて、安心して学べる環境を整えた結果、2023年度19.6%だった離職率は、2024年度に8.6%へと大きく改善しました。さらに、クリニカルラダーに基づき、外部研修や院内勉強会への参加を推奨し、自己研鑽の機会を確保しました。 特定行為研修修了者や専門看護師、認定看護師などが現場の中心となり、知識や技術の継承にも力を入れています。今年度は9名が特定行為研修を受講し、修了者は計34名となりました。これらの看護師は、専門性を発揮するだけでなく、若手看護師のロールモデルとしても大きな存在となっており、看護の質向上にも貢献しています。 今後も各部署が連携し、専門性と創造力を発揮しながら、患者様にとって最善の看護を提供できるよう努めていきます。そして、地域に信頼される看護の実現に向けて、看護部一丸となって取り組んでいきます。— 142 —看護部長 池末 直子ICUHCU外来救急手術室岩本 雅俊本川 満高倉 望萬野 恵美子松尾 幸子梶原 美沙緒丹野 英治中村 季実子桐谷 富由子山田 篤西田 藍新古賀病院
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