診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録 透析室は透析件数12817件(前年度12556件)、PTA件数54件(前年度33件)、シャント造影10件(前年度13件)、シャントエコー104件(前年度98件)早期に評価・処置を行う事により、急なシャント閉塞を防ぎ、安心して透析を受けていただけるよう努めています。また、透析中の運動療法も開始し約1年経過しました。患者様の日々の変化に気を配り、安全・安楽に透析を受けられるよう細やかな観察と声かけ、生活支援に尽力していきます。〈まとめ〉 新人看護師の育成では、プリセプター制度の充実とe-ラーニング活用を進め、個別性のある支援を強化いたしました。慢性期特有の観察点やアセスメント能力の向上を目指し「患者様の生活に向き合う」視点を常にもつことを伝えてきました。更に、褥瘡・排泄・口腔ケア・認知症ケア・身体的拘束最小化等の委員会やチームの活動も活発化し、看護の質の向上に繋がりました。2024年度より始まった看護師特定行為研修センターでは1年間の研修期間を終え、高い知識と技術を持った3名の看護師が無事に修了する事が出来ました。今後は医師の業務負担軽減に加え、タイムリーで質の高いケア提供に貢献していただきたいと思います。 身体的拘束の最小化は、今年度の大きな重点課題でした。拘束ゼロを目指すだけではなく、「なぜ拘束が駄目なのか」を職員全員で考え、安全性と尊厳の両立を目指す取り組みを重ねていきました。多職種でのラウンドやリスクアセスメントの徹底により、拘束の必要性を再検討する機会を増やし、件数としても減少傾向がみられました。職員研修も年間を通し2回実施し、倫理的感受性を高める事ができたと思います。その他、2024年度もCOVID-19のクラスターが発生いたしました。高齢で基礎疾患をもつ患者様への感染は重症化のリスクが高く、感染対策委員会を中心とした対応と、組織全体の応援体制で乗り切ることが出来ました。 このように2024年度は様々な変化に直面した年でした。その中で私たち看護部は、改めて「慢性期における看護の本質」に立ち返り、真摯にケアを積み重ねてきました。2025年度も「安心・安全・尊厳のある療養生活の実現」を目指し、職員一人ひとりが専門職として成長し続ける環境づくりに努めてまいります。— 144 —副看護部長(回復期病棟) 2階東病棟 3階西病棟 〈はじめに〉 2024年度は、診療報酬改定への対応に始まり、看護の質の向上と倫理的課題への取り組み、そして繰り返し発生するCOVID-19クラスターへの対応に追われた1年でした。 慢性期療養病院として、患者様の「暮らし」を支える看護のあり方を改めて問い直しながら、現場一丸となり取り組んできた1年をここに振り返ります。2024年度 天神会看護部目標 1. 自分の行動の意味を考え、安心・安全な看護の質向上 に繋げる 2. 看護の視点で業務改善に取り組み、病院経営の参画 3. 向上心と想像力をもち、人間性豊かな看護師の育成〈各部署 取り組み〉 2東病棟の実績は病床稼動率(96.5%)、医療区分2・3(92.6%)、で目標達成できました。今年度は診療報酬改定にて、身体拘束最小化にむけ、抑制を解除できる時間の確保に取り組み、他施設や病院で抑制帯やミトンを使用し転院してきた患者様には状態を把握するため、まず抑制をせず観察を行うことで適正な必要性を判断することができました。全解除が困難な場合でも、一部解除できる方法を今後も検討していきたいと思います。 3西病棟の実績は病床可動率(94%)、医療区分2・3(88%)、在宅復帰率50%以上であり目標達成する事ができました。人工呼吸器使用患者約5~6名/月の入院継続により重症度が上がり医療区分を高い水準で維持する事ができました。取り組みとして多職種連携しチーム医療の実践と情報共有、ケア方針の決定、課題解決に努めました。今後は、医療区分1の患者の方向性を早期に提案し、早期退院に繋がるよう入退院支援体制の充実を図りたいと考えます。 回復期リハビリテーション病棟の実績は、在宅復帰率(85.7%)、重症度(48.4%)、重症改善率(63.2%)を達成しました。回復期入院料1への類上げを目標に、リハビリテーション実績指数の確保と、その影響因子である退院支援の強化に多職種で取り組み、2025年2月より入院料1の算定を実現しました。次年度も更なる向上を目指します。 外来では2024年6月より生活習慣病管理料の算定を開始しました。取組として生活習慣病管理料対象患者のカードを作成し、診察時に提出、漏れがないように看護師・医師・医事課間で連携をとり349名に対して生活習慣病管理料の算定が出来ました。今後はさらなる個々の指導ができるよう力をいれていきたいと思います。看護部長 平川 良子外来 透析室津留崎 孝義中原 由加里島 美樹子溝部 菊子大場 康恵新古賀リハビリテーション病院みらい
元のページ ../index.html#151