診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録 2024年度は医療DX推進体制整備加算に基づく電子処方箋の導入、2024年10月から開始された長期収載品の選定療養費に対応する為のシステム構築から、新しい診療報酬加算・チーム医療への介入を行いました。 電子処方箋の導入は2025年1月12日時点で全国の病院で3.9%と著しく低く、福岡でも導入している施設は一部に限られる為、厚生局からの情報が頼りでしたが、実際の現場運用との整合性の違いに難渋しました。 まずは病院に止まらず、地域調剤薬局と合議を重ね、可能な限りの情報を集めると共に導入に対する問題点をピックアップし病院と調剤薬局両方の視点より効率よく運用できる体制構築に努めました。また医師への情報提供として医局会での発表から、実際の使用に関するデモ機の導入もシステム課と協力して行う事で2024年11月には天神会全施設において電子処方箋の導入が達成できました。 長期収載品に対する選定療養費に対しては採用薬の中から対象となる薬剤を選択する際のコメント作成(後発品変更不可、その明確な理由)など患者だけでなく医師も簡易的に入力できるシステム対応を行いました。 診療報酬に関しては新古賀病院において後発医薬品使用体制加算1取得(古賀21取得済)の為に使用割合の高い薬剤を選抜すると共に安定供給が保てる後発医薬品への変更をおこないました。出荷調整で変更ができない先発医薬品や後発医薬品が存在しない先発医薬品に関しては近年の薬価上昇によるカットオフ値への影響を考慮して規格の大きい薬剤を採用する事で規格単位数を削減しました。また後発医薬品としてカウントされない薬剤に関しても医師に可能な範囲で類似薬の後発医薬品へ変更をお願いすることで後発医薬品使用体制加算1を取得することができました。 古賀病院21では術後疼痛管理チーム加算の算定を開始し、これまで手術領域への関与が少なかった薬剤師も所定の研修を完了し、医師と看護師を中心としたチームに参入することになりました。(新古賀病院も2025年度より算定予定) 術後疼痛管理で薬剤師に期待される役割として術後の薬剤選択、副作用モニタリングがあり、今後は薬剤師による専門的な介入ができる体制を構築していく事で幅広い範囲で臨床に介入できる体制構築を目指しております。 みらい病院では老人保健施設である弥生園との連携強化の為、業務の効率化と部門間連携に取り組みました。特に処方支援として定期処方日数を14日から28日へ変更し、調剤変更の起きやすい入眠剤や下剤等の服用時間や服用回数を見直しました。 これにより弥生園スタッフの業務の負担軽減と入眠剤や下剤等の見直しで再調剤や追加処方が頻回になることを回避できたと考えています。病棟においても与薬業務の負担軽減の為、定期処方のみ行っていた与薬カートセットの範囲を継続処方にも拡大しました。 医療を取り巻く環境は刻々と変化を続け、それに対応する為の知識から柔軟性、チーム連携など医療従事者に求められるものは多岐に渡ります。 今後も医療の質と安全を守る為に医療ニーズや社会情勢に対応しながらより良い医療サービスの提供の為に躍進してまいります。 2024度の実績は、表をご参照ください。治験につきましては、天神会として19件(第Ⅳ相試験が10件、第Ⅲ相試験が9件)実施しております。スタッフ構成(2025年4月現在)新古賀病院 薬剤課 薬剤師 20名(非常勤3名) 調剤補助 5名(非常勤1名)古賀病院21 薬剤課 薬剤師 13名(非常勤2名) 調剤補助 5名(非常勤1名)新古賀クリニック 薬剤課 薬剤師 1名新古賀リハビリテーション病院みらい 薬剤師 3名(非常勤1名) 調剤補助 2名(非常勤1名)— 149 —新古賀病院 薬剤課 課長 田中 康照薬剤課
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