診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録表 .1 社会医療法人天神会 研究倫理審査委員会委員新古賀病院 教育研修部 部長 靍 知光 <はじめに> 2023年4月よりスタートした教育研修部の大きな仕事の1つとして、法人としての研究倫理審査委員会の立ち上げがありました。教育研修部では他施設の資料等を参考に委員会規程の作成に始まり、対象職員に対する研究倫理研修を6月からスタートして各職員に研究許可番号の配布を行い、当法人施設における臨床研究、学会発表、論文投稿の倫理審査システムを構築しました。本項では当委員会の活動を紹介して、2024年度の研究申請や学会発表、論文投稿の現況を報告いたします。<研究倫理審査委員会> 研究倫理審査委員会は現在12名の委員から構成され(表1)、法人内の各施設から上がってくる新たな臨床研究や多施設共同研究および学会発表の内容および投稿論文の内容の倫理審査を行うために昨年より活動を開始しました。 同時に一連の審査手順のシステムを構築し(各施設共通)、今後臨床研究やその成果を発表する際は、必ず当委員会の審査を通して各病院長(施設長)の許可が必要となるようになりました。近年、ヒトを対象とする臨床研究に関しては厚労省から非常に厳しい内容の通達が出されており、各学会も発表の際の厳しい規程が設けられるようになって研究倫理審査委員会の存在は大きくなっています。現在、各学会は日本医学会連合研究倫理委員会が作成した「学術集会への演題応募における倫理的手続きに関する指針」(表2)に沿って各学術集会の発表規程を厳格化してきており、ほとんどの学術集会の発表規程では利益相反申告は勿論のこと、所属施設の研究倫理審査が必須事項となっています。<2024年度の活動状況> 2024年7月までに法人内の研究・発表予定者に対してComedix内のSafe Masterを使用して研究倫理に関するe-learning基礎研修を受講してもらい個人に研究許可番号を付与しました。 8月から徐々に申請が行われて2025年3月までには合計84題の臨床研究、学会発表、論文投稿申請が行われ全て承認されております。その内訳を図1に示します。 現在までに当法人主幹で申請された前向きの介入を伴う臨床研究はないので、全ての申請に対して2名の委員による迅速審査を行っていますが、将来大きな介入を伴う研究が申請された場合は臨時の委員会開催が必要です。現時点では11月7日に第1回目の委員会を開催して、審査に関する基本事項を確認しました。職種別の申請状況を図2に示します。申請承認数では医師が圧倒的に多く、その他の職種の皆さんも臨床研究・発表に努力されています。また、法人内での施設別で申請数を分析すると急性期病院である新古賀病院が抜きん出ており、新古賀クリニックや古賀病院21が続きます。(図3〜5)<終わりに> 研究倫理審査委員会は厳格かつ複雑になった臨床研究規程、学会発表規程、論文等投稿規程に対応して当法人全職員の皆さんのサポートを行います。複雑になった研究・発表規程の解釈等で困った際にはぜひ担当者までご相談下さい。 職種を問わず現場での経験を生かした臨床研究や学会発表は自分自身のスキルアップになるばかりでなく、延いては病院全体のレベルアップにも貢献します。働き方改革で仕事時間の配分も困難になってきた昨今ですが、全法人職員の皆さんのさらなる学術的レベルアップを期待しております。— 173 —研究倫理審査委員会
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