社会医療法人天神会 2024年度 年報
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診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録新古賀病院 教育研修部 部長 靍 知光 (表1)(表2)<治験とは> 未承認の新薬や器材を被験者の同意を得た上で服薬・使用していただき、その有効性、安全性を調査することを治験と言います。<治験審査委員会> 治験審査委員会は、臨床治験に参加する全ての被験者の人権と安全を守るために、個々の治験の計画について科学・倫理それぞれの観点から審査します。天神会で実施予定の新規治験、ならびに実施中の第Ⅱ相、第Ⅲ相試験が適切に実施されているかについて審議を行います。当法人では、治験委託業者の治験コーディネーターが派遣常駐しており、より円滑な治験実施が可能です。 また、製造販売後臨床試験、特定使用成績調査にかかる実施状況報告に加え、医師の臨床研究、共同研究のうち院内審議を要するものを当委員会で審査し、それらを併せて第Ⅳ相試験としています。 当法人では治験コーディネーター・医師・その他のメディカルスタッフが連携して協議を行い治験・研究実施と臨床医療の質の向上へ貢献できる環境の構築に努めています。<委員の構成> 医師3名、看護師1名、薬剤師1名、臨床検査技師1名、臨床工学技士1名、外部委員2名、事務1名 計10名(表1) <実施状況> 天神会における2024年度末の治験実施件数は24件とグラフ(表2)に示す通りです。今年度、新たに開始した治験は7件(Ⅲ相 2件、Ⅳ相 5件)です。 新型コロナウイルスの影響により、全体件数は近年減少傾向が続いていましたが、今年度はやや回復しました。最盛期と比べると依然として控えめな水準ではありますが、少しずつコロナ禍前へ戻ってきていると感じます。 今年度は、月1回の定期開催を休会することなく実施できております。<終わりに> 多くの新薬・器材が必要とされる中で、安全かつ有効性の高い情報を収集するために治験の実施は重要です。また必要な審査を経た上で、主治医が被験者へ十分な説明をし、理解を得て被験者の安全に十分配慮することは当然の義務です。今年度終了した試験も多くある中で、感染症の収束とともに今後徐々に新規治験の受入が増えていくと予測します。委員会として公正な立場から審査を行い、有意義な治験の実施に努めます。— 175 —治験実施件数 2025年3月末時点治験審査委員会

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