診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録 2024年度は「報告する文化を醸成、透明性のある医療を推進し、安全意識を高める教育体制を構築する」ことを目標に掲げ、医療安全への取り組みを強化しました。その結果、インシデント・アクシデント報告件数は1,214件となり、昨年度より増加しました。これは、医療安全ニュースの定期発行、中心静脈カテーテル挿入留置に関する説明同意書の作成、経鼻栄養チューブ挿入留置確認管理標準マニュアルの整備、異状死対応マニュアルの改訂、自殺企図発生時の対応手順の作成、医師・ クリニックでは、インシデントに加え、患者様からのご意見やアンケート結果を踏まえた事例検討を継続的に実施しています。2024年度の報告件数は214件でした。当クリニックでは同様のインシデントが発生した際に確認作業を強化するだけではなく、ヒューマンエラーを防止するための仕組みやシステムの導入といった、より根本的な対策を検討・実施できるよう取り組んでいます。今年度はインシデント発生時の報告・連絡・相談が円滑に行えるような体制の整備を進め、迅速かつ適切 2024年度は「安全文化の定着と転倒による医療事故0」基本方針とし、医療安全への意識向上とリスク対策に取り組みました。転倒・転落のインシデントは215件(前年比+20件)とやや増加傾向でしたが、転倒によるアクシデント件数は3件から1件へと減少しました。これは、見守り体制の強化、夜間対応の工夫、また離床センサーや衝撃吸収マットの新規購入など複数の対策が功を奏した結果です。患者誤認防止対策として2回/年の強化月間を策定しました。結果、患者誤認に関す1.はじめに 今年度も、患者様にとって安心・安全な療養環境を提供するため、医療安全管理委員会として病院全体の安全意識向上に取り組んできました。慢性期療養病院という特性上、日常的なケアの中に多くのリスクが潜んでおり、小さな気づきや声かけの積み重ねが大切である事を実感した1年でした。2.インシデント・アクシデント報告 2024年度の報告件数は250件で、前年度に比べて13%の減少となりました。最も多かったのは転倒・転落に関するもので、全体の39%を占めました。特に高齢で認知機能の低下がある患者様のケースが多く、見守り体制や環境調整の見直しを行いました。発生の振り返りでは「どうすれば防ぐ事が出来研修医対象のCV・PICCハンズオン研修の実施、医局モニターへの報告件数および注意喚起の表示など、現場に密着した活動による成果と考えています。事例検証会は年間7例実施し、職員の安全意識の高まりを感じています。年度末には報告システムのリプレイスを実施し、システム上でのフィードバックが可能となりました。これにより、より迅速かつ効果的な情報共有と再発防止策の検討が可能になると期待しています。今後も、医療安全の向上に向け、継続的に取り組んでまいります。な対応が可能となるよう務めました。また、職員への周知徹底を図り、対応体制の明確化および部門間の連携強化にも取り組みました。 来年度は、各部署における医療安全意識のさらなる向上を図るとともに、患者様が安心して受診・通院できる環境の整備を推進していきます。また、スタッフが安心して患者様のサポートにあたれるよう、より強固な安全管理体制の構築に努めていきます。るインシデントは27件(昨年比-6件)で、確認不足や声かけの省略が主な要因でした。引き続き各部署における強化対策を支援していきます。また、医療安全ラウンドを通じて現場との対話を重ね、改善策の即時展開につなげる体制も整ってきました。今後は、ICTの活用による情報共有とリスク分析の高度化、重大インシデントの早期対応体制の構築、報告しやすい職場環境の整備を進め、全職員が主体的に関わる安全文化のさらなる醸成を目指していきます。たか」に焦点をあて、職員全員が共有できるよう努めました。3.医療安全研修 年2回、医療安全に関する職員全体研修を開催しました。心理的安全性と医療安全:参加者192名(参加率100%)医薬品関連、医療ガスについて:参加者188名(参加率100%)4.おわりに 2024年度も様々なヒヤリ・ハットを教訓に、現場の知恵と工夫で安全な医療を実践してまいりました。慢性期であっても安全への意識は常にもち、医療人として現場に即した医療安全の推進役となれるよう医療安全委員会として安全行動の啓発に努めて行きたいと思います。— 179 —新古賀リハビリテーション病院みらい 医療安全管理者 平川 良子新古賀病院 医療安全管理者 中島 優子新古賀クリニック 医療安全管理者 原 のぞみ古賀病院21 医療安全管理者 坂田 眞佐子医療安全委員会
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