社会医療法人天神会 2024年度 年報
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主体的に取り組むワークシートを用いた授業方法反転授業の授業効果古賀国際看護学院 ◎宮崎亜矢子、髙園真理子、林桂子【はじめに】第5次カリキュラム改正では、臨床判断能力等に必要な基礎的能力強化のための看護の視点での解剖生理学等の理解が求められている。そこで学院では、「看護につなぐ」という科目を設定した。今回、授業構築にあたって、池西静江先生に協力を頂く機会を得て、ワークシートによる授業展開と協同学習を組み合わせた方法で、学生の興味・関心を引き出すことができたためここに報告する。【実施】知識としての「解剖生理学」を整理し看護につながるよう、順序立てたワークシートを作成し、講義前に事前課題として学生に提示した。講義では、そのワークシートを活用しながら講義を展開した。また、思考を整理していくために、学生に発問を行い、既習学習を想起させ、協同学習で、グループで発展課題に取り組んで学習成果を共有した。【結果】「解剖生理学」の知識を看護につながるように順序立てたワークシートを作成することで、学生は知識を整理することができた。また、学生同士話し合う時間をつくることで、自分の考えを相手に伝え、わからないことを声に出し、互いに教えあうことで学びにつながった。理解につながることで、学生から興味・関心につながるような意見が聞かれた。【考察】正常な「人体の構造と機能」を理解した上で、その知識を日常生活行動と結びつけて理解することは重要である。今回、「池西反転授業」を取り入れ、事前学習をワークシートで行い、対面授業では、ワークシートをもとに、協同学習(シンク・ペア・シェア、ラウンド・ロビン)で展開し、TBLを用いてまとめる授業を展開した。池西は、「医学的知識を看護に活用するには、想起型の学習では難しい。池西型反転授業は、自ら学ぶ事を支援するもので、教えすぎないという点がよい」1)と述べている。伝えるだけの「知識伝達型」の授業にならないように、学生が身につけるべき知識を理解して、言語化できるような授業設計を行い展開することで、「人体の構造と機能」に関心を持ち、主体的な学習の取り組みにつながったと考える。また、理解を深めることで、興味や関心が促進され学びの楽しさにつながったのではないかと考える。【まとめ】知識を理解して言語化することで、主体的に取り組むためにはワークシートを用いた反転学習を行うことが有効である。また、学生同士で話し合う時間を意図的につくることで理解が深まり、主体的な学習姿勢につながった。【引用文献】1)池西静江「看護・生活行動」の視点を取り入れた「形態機能学」の授業づくり診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録

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