診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録見認めず特に異常はなかった。腹部単純CT検査では、上腹部に主体とし、腹腔内に限局したfree airを認め、十二指腸球部小弯側に限局性の壁菲薄化部分があった。以上のことから、十二指腸潰瘍穿孔疑いとなり、保存的加療目的に入院となったが、翌日の炎症所見の悪化、腹部症状の改善認めないことから、腹腔鏡下洗浄ドレナージ術・汎発性腹膜炎手術を行った本症例について、若干の文献的考察を加え報告する。褥瘡改善を目指した多職種連携の実践とその成果みらい介護医療院 ◎斉藤太一(看護師)、大場徳子(看護師)、江﨑睦美(介護福祉士)、北崎晶子(介護福祉士)【はじめに】介護医療院は長期的な医療と介護の両立を必要とする高齢者を対象に「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」などの医療機能と「生活施設」としての機能を提供できる施設です。当施設では、入所者の平均年齢が88.6歳と高齢であり、また平均要介護度は4.3と介護度が高い方が多く入所されています。医療ケアと日常生活支援を統合的に提供する事が求められます。その為、多職種連携の重要性が一層高まります。本症例報告では、介護医療院における血糖コントロールと栄養管理を通じて、褥瘡の改善に成功した事例を報告致します。【研究方法】〈対象者紹介〉K様/82歳/女性/要介護度4/Y施設入所中、左被殻出血発症され、2023年12月13日S病院へ入院。2023年12月25日Y施設へ再入所。Y施設での介護困難にて2024年3月29日みらい介護医療院へ入所。〈入所時の状況〉左被殻出血後で右片麻痺あり/ADL全介助状態/意識レベル I-1/食事は経鼻経管栄養3食/膀胱留置カテーテル挿入/インスリン注射(ノボラピッド・グラルギン併用)/仙骨部褥瘡あり 6.0×6.0cm/DESIGN-R 14点【研究期間】2024年3月29日~12月20日【実践内容】①ポジショニングの統一、床ずれナースを使用した体位変換、エアーマットレス使用し除圧に努める ②毎日の褥瘡処置を行い、また褥瘡回診による処置の見直し③インスリン注射による血糖コントロール④多職種連携によるカンファレンスにて問題抽出を行う⑤スキンケアの実施(保湿剤塗布)【結果】多職種連携での定期的なカンファレンスでは職種間の情報共有を円滑に行い、タイムリーな専門的意見を集約し、指示やケアの変更をする事で入所者の栄養状態や全身状態、また、徐々に肉芽形成が促進され、9ヶ月後には著明な縮小を認め褥瘡の状態を改善する事ができました。 入所時よりミネラル、コラーゲンペプチド含有飲料である「CP10」を1日1本とメイプロテイン1包を投与し栄養強化に努めました。これにより入所21日目褥瘡は著しく改善しました。血糖値も徐々に改善し血清アルブミン値も上昇した。ケアでは統一したポジショニングと徹底した除圧と褥瘡部位の適切な処置は皮膚の清潔と圧迫の軽減に努める事ができました。【考察】本症例は糖尿病疾患をもつ入所者の褥瘡治療において、血糖管理、適切な栄養補給、ケアに際し各職種が互いの専門知識や役割を理解し尊重することで、チーム全体の協力体制を強化するかたちとなり、入所者のケアの質を向上させたことができたと思います。これらの取り組みがチーム医療や多職種連携の重要性を示すものであると考えます。【終わりに】介護医療院における多職種チームによる包括的なケアや介入が入所者の全身状態の改善とQOL(生活の質)の向上に繋がる事が再認識できました。今後のケア提供においてもチーム医療の推進に努めて行きたいと思います。「施設で楽しく生活していく」を目標に~自立支援に向けた取り組み~こがケアアベニュー大石町・こがケアアベニュー縄手・こがラウンドケア大石町 ◎阿津坂明美【はじめに】定期巡回随時対応型訪問介護こがラウンドケア大石町は、こがケアアベニュー大石町47名、こがケアアベニュー縄手入居者64名のサービスを行っている。介護度が高い方や、認知症状の方でも24時間365日、定期的な訪問や連絡による随時訪問を可能としたサービスで、訪問看護と連携することで医師の指示のもと医療処置なども行え、看護が必要な方の受け入れ体制を整え、終末期をアベニューで迎えることができように看取りまで行っている。現在、縄手では「転ばず元気にできることは自分でやろう」を目標に自立支援に向け取り組んでることを報告する。【調査】こがケアアベニュー縄手入居者様64名のうち、認知症の方29%、認知症予備軍の29%と半数以上の方に認知症状があり、それに伴い転倒件数も多く認知症状が進行し、問題行動が増え施設としての大きな課題となっていた。また入居者様から一日なにもすることがないとの言葉が多かった。 介護保険上デイサービスに行く回数にも制限がありほとんどを部屋で過ごされることで認知症状は低下し、定期巡回でのサービス内容で更衣介助や車椅子移乗介助・誘導など支援行っているが利用者様ができる動作を制限していることが— 223 —
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