診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録多かった。入居者様のほとんどが施設から出れずに住宅で過ごす時間がほとんどで施設全体として認知症予防と取り組みが必要だった。【方法】日常生活を活用した認知症予防への取り組みを行った。定期巡回でのサービス内容を見直し、できる動作が継続してできることを目標に支援内容の変更を行った。動作に合わせての安全対策で手すりの設置や福祉用具の見直し、住環境整備を行った。施設としての取り組みは刺激のある環境作り(共有部分に四季折々の装飾・月が分かるようにした)、世代間交流(高校生にボランティアで来て頂き若者との交流、異なる世代との接点を増やす)、ボランティア活動(台拭きの準備・テーブル拭き・下膳の手伝い・植物への水やり・食堂で使うゴミ箱作り・めだかの餌やりなど)など、役割を持つ喜びを感じストレスの軽減や身体機能の向上を図った。【結果】することがある、まだ自分にはできることが多いとやる気スイッチが入り入居者様同士の助け合いも見られるようになり会話も増えた。取り組みを通じて有料老人ホームでの認知症予防対策がより効果的で持続的に行うことが重要と感じた。定期巡回ではサービス内容の見直しを行い要介護4・5の介助が必要な方でもできる動作が多くあり、今まで介助側主となっていることに気づかされた。リハビリスタッフ・福祉用具事業所と住環境や福祉用具の見直しを行い安心できる環境整備実施、転倒回数減となった。スタッフの専門性の向上、医師・看護師・介護士・リハビリスタッフが連携して利用者様に携わることの必要性。施設での楽しみを感じる取り組みを増やし、利用者一人ひとりのニーズや状態に合わせた支援を提供し快適かつ安心できる生活環境を整え質の高い支援を行っていく。シャント異常に対する早期発見・早期対処への取り組み~VA(vascular access)管理の成果~新古賀クリニック 透析看護課 ◎田中公美、打山りさ、豊福暁子、松尾留美 【はじめに】透析患者にとってシャントは透析治療を受けるために不可欠なものであり、命綱である。その血液透析に欠かせないシャントに狭窄、閉塞、感染などの様々な機能不全を引き起こすと効率的な透析が行えず患者の身体的負担が大きくなる。そこでトラブルを未然に防ぐために観察の強化に着手し、VA管理活動を開始した。シャントトラブルの早期発見・早期対処を目標に取り組んだ活動内容とその成果をここに報告する。【研究方法】当院外来患者145名を対象に1.VA管理シートの利用、2.他職種連携によるシャントエコー、3.ポータブルエコーの活用を2023年4月から2024年3月の間に実施した。また、当院スタッフ23名にアンケートにてVA管理に対する意識調査を実施した。【結果・考察】透析室は専門性の高い部署であり、経験年数によって知識や技術に差が生じやすい。当院においてもVA管理に対して熟練したスタッフに依存する傾向があり、観察や評価に悩むというスタッフの声が挙がっていた。そこで、1つめの取り組みとして、シャント観察項目を点数化したVA管理シートを活用し統一した観察ができるようにした。そのためスタッフの経験や技術に差が生じていてもシャントの状態観察が適切に実施できるようになった。実際、VA管理開始後のアンケート結果では、開始前より開始後の方が各項目70%観察できており、スタッフ一人ひとりがシャント管理について関心を持って関わることができるようになっている。2つめは、他職種連携によるシャントエコーである。スタッフが検査室まで同行し、トラブルの原因について、他職種を含めて検討するようにした。3つめはポータブルエコーの活用である。ベッドサイドで手軽に血管走行の確認や狭窄箇所の確認などに活用し、異常所見を認める場合はシャントエコーへと繋げた。これらの取り組みが、シャント異常の早期発見となり、緊急ではなく予定PTAの依頼・実施へ繋がった。今回の取り組みにより、シャントPTAの件数は2022年度と比較し78件であったのに対して、2023年度は52件に減少している。また、シャントエコー件数も2022年度と比較し387件から2023年度は339件に減少している。この結果は緊急でのシャントエコーを必要とすることが少なくなったこと、つまり、シャント異常の早期対処による成果であると考える。【まとめ】今回実施したシャント管理の取り組みはシャント異常への早期発見・早期対処に繋がると考える。今後は患者自身がシャントの観察を行えるようにスタッフだけではなく、患者と共に取り組んで行きたい。未病に寄り添う鍼灸マッサージについてこがケア鍼灸マッサージ院 ◎川口亜紀 東洋医学の考え方に「未病を治す」という言葉がある。 「未病」とは、健康診断や人間ドックでは異常がないと診断されたのに、身体的・精神的不調を感じている状態、病気ではないが健康でもない状態のことである。 この状態の段階で東洋医学特有の診断方法(問診、舌診・脈診・腹診)を用いて証をたて、鍼灸及びあん摩を施すこと、養生を薦めることで、発病を予防することにとどまらず、心身全体をより健康な状態に近づけることが、「未病を治す」ということ— 224 —
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