る4)。疾病にかからないための予防と、医療化から患者を守る診療技術部看護部各委員会報告業績編集後記教育講演会・研修会・研究会天神会医療研究会抄録が患者に認知されておらず、多くの開業医が臓器別専門医療を提供している地域性とも関連していることが示唆された。以上のことから、様々な予防的取り組みの入り口として、介護保険に関する情報提供を強化した。また、虐待への対応に不安を持つ職員がいたことから、虐待発見時の対応について改めて確認を行った。【結論】PXを通じて患者経験の評価を行い、結果を踏まえた質改善活動を行った。高齢患者は過剰な医療化による治療負担によって健やかな生活が損なわれることも指摘されていための予防の両面について、患者経験を踏まえながら継続的な改善を行う重要性を認識した。【参考文献】1) Wolf JA, Niederhauser V, Marshburn D, LaVela SL: Defining patient experience. Patient Exp J 1:7-19, 2014. 2) Aoki T, Fujinuma Y, Matsushima M: Usual source of 総説 398 医療の質・安全学会誌 Vol.17 No.4(2022) primary care and preventive care measures in the COVID-19 pandemic: a nationwide cross-sectional study in Japan. BMJ Open 12:e057418, 2022. 3) Reeve J: Unlocking the creative capacity of the self. Dowrick C, eds. Person-centred primary care : searching for the self, Routledge, London, 2017, 141-165.2024年2月に実施した、当院でのJPCAT(Japanese version of Primary Care Assessment Tool)による質問紙調査心臓デバイスにおける遠隔モニタリングが有用であった症例新古賀病院 臨床検査課 ◎西本奈央、米津紗代、山﨑 有紗、活田悠花、瀨川彩可、栗木春佳、冨田友佳、木村賢司【はじめに】ペースメーカ等の心臓デバイスに対して、当院では2017年より遠隔モニタリングシステムを導入し、2024年現在30%程度(約290人)が利用中である。 遠隔モニタリングでは専用の送信機を使用し、月1回定期的にデータを送信され、電池抵抗・リード抵抗・心内波高値・不整脈に対するデバイスの作動結果など様々情報を通常の外来定期フォローと同じように知ることができる。また緊急な対応が必要な状況が起きた際には、緊急メールにて異常を早期に察知することができるようになっている。今回遠隔モニタリングを導入したことにより、異常な電池残量低下を早期に発見・対応することができた症例を経験したため報告する。【症例】86歳、男性 [既往歴]慢性心不全[経過]20XX年CRT-D移植術(Medtronic社製)20XX+2年 5月遠隔モニタリング導入 20XX+3年 6月遠隔モニタリングに電池電圧低下の緊急メールあり。急激な電池電圧の低下を確認し、早急に電池交換を行った。【結果】本症例では、メールにより急激な電池電圧低下を確認した。前月の遠隔モニタリングデータでは5.1年の電池残量があったが、メール受診時には電池残量が推奨交換時期(以下RRT)となっていた。すぐに主治医に連絡を行い、患者に来院を促しその後入院にて電池交換となった。RRTではショック機能付きの心臓デバイスの場合、不整脈発生時の除細動施行回数が6回と制限がかかるため、早期の対応が重要である。【考察】今回の症例では、定期フォローの場合は半年後にしか異常を発見することが出来なかった。しかし、遠隔モニタリングを導入していたことで患者の状態変化が起こる前にデバイスの異常を早期に発見できるという最大の利点を活かすことが出来たと考える。【まとめ】今回遠隔モニタリングを導入することで半年ごとの定期フォローよりも早期に心臓デバイスの異常に対して介入することができた症例を経験した。 今後も送信されてくるデータを確認し、異常が見られた場合、速やかに医師と連携し早期発見・早期介入に繋げることが必要である。心不全患者の継続した療養指導の検討~再入院予防を目指して~古賀病院21 外来 ◎久保田円、中山布実子、野田彩、本梅桂、2階病棟 ◎小田里見、平田祐理子【はじめに】心不全入院患者数は、循環器疾患診療実態報告書によると年間1万人の割合で増加し、2030年に350万人に達する。急性心不全の多くが慢性心不全の急増であり、急性期から慢性期までシームレスな治療の継続が必要である。当院でも心不全で入退院を繰り返している患者は多く、再入院予防の観点から病棟と外来の継続看護が急務である。今回、病棟と外来が連携し一貫した療養指導を行なう事で、再入院を予防出来ている症例を報告する。— 229 —
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