社会医療法人天神会 2024年度 年報
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ご挨拶新古賀クリニック診療科新古賀病院診療科古賀病院21診療科新古賀リハビリテーション病院みらいみらい介護医療院矢取事業部辺春診療所教育研修部野伏間事業部<診療体制> 山本 広子医師、愛洲 紀子医師、中尾の常勤3名体制です。その他非常勤医師として、井上 充医師には引き続き外来、手術を、三田尾 有美医師にも前年度同様非常勤医として手術応援に来ていただきました。また、今城有芸先生は勤務日を増やして外来の担当増、および病棟の担当をしていただきました(残念ながら6月以降はご家庭の事情で週1回の健診のみの対応となり、年度末で退職となりました)。その他、友成美鈴先生には健診担当日を増やし、9月からは外来も担当していただきました。 婦人科検診は、上記スタッフでカバーできない隔週土曜日は検診専従非常勤医師が担当しました。<トピックス>子宮頸がん予防ワクチンについてアンケート実施しました   一部マスコミの報道に端を発した、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の「積極的接種の勧奨の差し控え」が2021年11月に厚生労働省により撤回されました。その代償として、接種が非常に低調であった約10年間に定期接種の機会を失った世代を対象に、無料の「キャッチアップ接種」が2022年4月から開始されました。ところが接種率は思ったほど増加せず、我が国は先進国の中で唯一子宮頸がん撲滅が遅れることが懸念されています。当法人のキャッチアップ接種対象年齢の職員を対象に、情報提供を兼ねて意識調査を無記名アンケート形式で実施しました。その中で医療法人職員であるにもかかわらず低い接種率が明らかになりました。しかし、接種しないのは健康被害の懸念より、接種場所がわからない、時間が取れないなどの現実的な要因であることが判明しました。詳細な結果は2025年5月の日本産科婦人科学会学術講演会にて発表、論文も現在投稿中です。子宮頸がん予防ワクチンの法人集団接種を企画実施しました 上記アンケートの結果を受けて、キャッチアップ世代の法人職員を対象に勤務時間内に法人施設を会場として集団接種を計画しました。1回目の接種は新古賀病院、古賀病院21、新古賀リハビリテーション病院みらいそして野伏間クリニックに、クリニックから医師、看護師、事務職が出張して接種を行いました。2回目、3回目の接種は新古賀病院で行い、延べ人数で職員151名の接種が実施されました。山本広子医師が臨床遺伝専門医を取得しました 昨年度から再開した新古賀病院・遺伝外来を担当している山本広子医師が、臨床遺伝専門医を取得しました。今年度の合格率は67.4%の狭き門です。今後も更に研鑽を深めて、様々な対象の遺伝診療に邁進してくれるものと期待しています。日本産科婦人科学会専門医研修施設(連携型)になります 周産期診療を行わない当施設ですが、手術を中心とした婦人科診療および女性医学分野の研修施設として学会認定(2025年度より発効)に合格しました。今後は基幹研修施設との連携のもと、後期研修医の教育にも関与していきたいと考えています。<外来診療(新古賀クリニック婦人科)> 初診数はやや増加し、総受診者数は横ばいとなっています。外来稼働額は昨年度より僅かに増加しています(図)。<遺伝外来(新古賀病院)> 院内、院外への周知はまだまだで、受診者の確保が課題です。今後も関係各診療科、院外の施設にもアピールしていきます。<入院診療(新古賀病院婦人科)> 円錐切除などの小手術の減少などから、過去最高となった昨年度より実数は下回りましたが、子宮全摘術、付属器腫瘍手術では腹腔鏡下手術の割合が多い状態を維持しています。<検診部門> 子宮がん検診実施数は7250件(前年比103.8%)、うち経腟超音波検査実施数は4052件(前年比101.6%)でした。<最後に> 地域に住む女性と周辺の医療機関に頼りにされる施設を目指します。部門としてのレベルアップのために、スタッフのサブスペシャリティ取得を応援しています。— 21 —図:最近5年間の外来受診者数と稼働額表:最近5年間の手術数とその内容新古賀クリニック 副院長 婦人科 中尾 佳史婦 人 科

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