ご挨拶新古賀クリニック診療科新古賀病院診療科古賀病院21診療科新古賀リハビリテーション病院みらいみらい介護医療院辺春診療所野伏間事業部矢取事業部教育研修部 新古賀病院心臓外科では、2024年4月からは内野宗徳、古賀清和、吉戒勝、大坪諭の4名体制で診療を行いました。4名ともに心臓外科専門医かつ修練指導医を有しており複雑な患者さんの病状に応じて多彩な術式を行うことができており、年間の開心術数は増加傾向にあります(133→153例/年)。2024年に当院心臓外科で新しく導入した心臓手術の術式として、左開胸MICS(Babliak法)、急性心不全合併例におけるImpella補助下手術、繊維性連続部弁輪膿瘍に対するCommando手術、HOCMに対するmyectomy+MVP、冠動脈ステント摘除+広範囲冠動脈内膜摘除手術が挙げられます。これらは心臓手術の中では高難度手術と言われていますが、いずれも良好な結果を得ました。標準的な心臓手術に関してはできるだけ2名の心臓外科医で行い、末梢血管手術や病棟外来業務を同時並行して行うことによって日勤帯の業務効率をあげ時間外勤務を減らすように努力しました。2024年4月に当院に就任された内野先生は最年少ながら40歳を超えており部下がいない中でも精力的に働いていただきました。これまで冠動脈バイパス術(CABG)の術者経験はなかったそうですが、すでに修練指導医を取得されており、手技を見ていると十分な技術を持っているとわかりましたので可能な限り執刀医としてCABGを経験してもらいました。結果として手術成績、吻合形態、開存率ともに非常に良好でした。聞けばこれまでおよそ1000例のシャント手術の経験があるとのことでした。内野先生は2024年4月からの1年間で、開心術49例、Y graft置換19例、TEVAR6例、EVAR13例、末梢血管(シャント含む)99例を執刀されました。九州地区の同世代の心臓外科医の中では内野先生はかなり豊富な術者経験を積んでおられると思います。たくさん手術をすればするほど病院に泊まり込むという日々は昔は当たり前でしたが、むしろ手術件数を伸ばすためにはきちんと身体を休める生活のリズムが必要です。総開心術数が増加傾向にあっても、内野先生を含め『1ヶ月のうち3日以上は病院に泊らない』という働き方改革のための診療科ルールを徹底することができています。この診療体制が可能となっている理由は、新古賀病院の手術室、ICU, 病棟スタッフの皆さんがタスクシフト、タスクシェアに意欲的で実質的に外科医を助けてくれているからです。これからも若い心臓外科医が充実した医療を行うことができるように、そして良質で魅力的な心臓血管外科医療を患者さんに提供していきたいと思います。2025年度も病院スタッフと良いチームワークを構築し皆で力を合わせて頑張りたいと思います。— 28 —心臓血管外科 主任部長 大坪 諭
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