社会医療法人天神会 2024年度 年報
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ご挨拶新古賀クリニック診療科新古賀病院診療科古賀病院21診療科新古賀リハビリテーション病院みらいみらい介護医療院辺春診療所野伏間事業部矢取事業部教育研修部され、糖尿病・甲状腺・内分泌センターとなり2年が経過致しました。常勤医6名、外来は非常勤医6名の先生方にお手伝いいただいております。外来診療は新古賀クリニック3階で、月曜から金曜の毎日4~5枠、土曜日は第2、第4の午前中に1日2枠、新患を含め診療をしております。 また2024年8月より、肥満外来を月2~3回(火曜と木曜の午後)、新古賀病院で開設しており、2025年5月より第4土曜日午前の外来枠も増設予定です。保険適用のある24時間持続血糖モニタリングシステム(1分毎に間質液中の糖濃度を測定する)が広く普及しており、より細やかな血糖コントロールが可能となってきております。当センターでも年々使用者数が増加しており、クラウド管理を導入することで、患者様のデータをiPadで共有できるようになりました。看護師による療養指導や定期的なフットケア、管理栄養士による個人栄養指導など個々のスタッフの力が集約されたより良いチーム医療を作ろうと努力しております。 インスリンポンプも機能が格段に改良された器械が2023年の年末に発売され、当センターでも導入する1型糖尿病患者様が増えております。またインスリンの頻回注射からインスリンポンプへの切り換えを行っており、今後も患者様のニーズに応じて外来導入可能なチーム体制を構築していく予定です。 甲状腺疾患の新患患者数は当センターの新患の約半数を占めており、2次健診と他院からのご紹介がそのほとんどです。甲状腺細胞診は2024年度152例実施され、うち10例が悪性または悪性疑いと診断されております。甲状腺癌および副甲状腺腺腫の手術は外科の吉成先生、柿本先生が外部の先生とともにしてくださるようになり、術後も当センターとの連携が円滑にとれております。 甲状腺眼症外来も新古賀クリニック眼科の渡邊先生、小島先生と協働で、従来のステロイドパルス療法やトリアムシノロン、ボトックスの局所注射に加えて、2024年11月に発売されました新薬テッペーザによる治療を開始しています。また2024年度は開発中の2つの新薬サトラリズマブとエフガルチギモドの第Ⅲ相臨床試験に参加しています。眼症でお困りの患者様がおられましたら、廣松までご紹介いただければ幸甚です。 2023年春に開設した肥満外来については、糖尿病を合併していない肥満症に対してGLP-1製剤が保険適用になったことを契機に、2024年4月以降、減量治療を希望する患者数の増加が認められます。しかしながらGLP-1製剤使用の施設基準上、クリニックが該当しないため、2024年8月より投薬が可能な新古賀病院で新たに肥満外来を開設する運びとなり、現在、糖尿病を合併し 男性更年期外来も、月に数名の新患の方が受診されており、主にテストステロンの筋注や漢方薬での保険診療を行っておりますが、2024年9月より、続発性の性腺機能低下と診断した方を対象に、あらたにクロミフェンの内服治療(男性不妊に対しては保険適<診療体制> 2023年6月に糖尿病センターと甲状腺センターが一つに統合<外来診療> 糖尿病診療では、インスリン製剤やGLP-1製剤を使用の方にない肥満症患者様30名/月以上がこの外来に通院されております。<入院診療> 入院患者様の約1/3は糖尿病ケトアシドーシス、高血糖による<学会および学術活動> 2024年度より当センターは、あらたに日本肥満学会肥満症専— 34 —用あり、男性更年期に対しては自由診療)も治療の選択肢のひとつとして加え、現在3名の方が自由診療に移行されました。高浸透圧性昏睡、低血糖や低Na血症による意識障害などによる緊急入院であり、糖尿病教育やインスリン導入目的の方は徐々に減少しております。一方、バセドウ病眼症に対するステロイドパルス治療、肥満の減量治療、副腎腫瘍の内分泌学的精査、原発性アルドステロン症の副腎静脈サンプリング目的等の方は、例年通り一定数入院されております。 また他科入院中の糖尿病患者様の血糖管理(周術期および感染症、ステロイド治療中など)、電解質異常、甲状腺疾患、副腎不全などの治療も併科の形で行っており、常時25~40名/日を担当させていただいております。門病院に認定され、また日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会認定教育施設および甲状腺専門認定施設も継続認定されております。 2024年度の国内の学会および研究会の発表は、日本糖尿病学会年次学術集会および日本糖尿病学会九州地方会にて各2題、日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会、日本内分泌学会学術総会、日本病態栄養学会学術集会、糖尿病学の進歩、日本泌尿器科学会総会、日本抗加齢医学会総会、日本眼科学会総会、日本メンズヘルス医学会、日本内分泌学会九州支部学術集会、日本メンズヘルス医学会にて各1題、 各種研究会にて13題、海外での発表(共同演者含む)では、Endocrine Society(ENDO)、European Thyroid Association、National congress of indonesian society of endocrinologyで各1題の発表を行いました。 また原著論文(共著含む)8編、ガイドブックの分担1編、総説(共著含む)4編を執筆しております。新古賀病院 糖尿病・甲状腺・内分泌センター センター長 内分泌・肥満診療部長 明比 祐子新古賀病院 副院長 同センター 糖尿病診療部長 川﨑 英二新古賀病院 同センター 甲状腺診療部長 廣松 雄治図 1 外来受診患者数図 2 入院延べ患者数糖尿病・甲状腺・内分泌センター

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