ご挨拶新古賀クリニック診療科新古賀病院診療科古賀病院21診療科新古賀リハビリテーション病院みらいみらい介護医療院矢取事業部辺春診療所教育研修部野伏間事業部 新古賀病院では2024年春に常勤麻酔科医師1名が退職したため、当初は手術件数の減少が予想されていましたが、さまざまな業務改善を行い、一昨年度より総手術件数(1837→1914件/年)および全麻手術件数(1558→1640件/年)が増加しました。手術件数の増加に大きく貢献した診療科は消化器外科(702→793件/年)、形成外科(39→93例/年)、循環器内科(68→87件/年)でした。 当院手術室では数年前まで新人看護師の離職問題に悩んでおり、全ての診療科手術に対応できる看護師を育成することが難しい状態が続いており、例を挙げると、脳外科と心臓外科の手術を同日に行うことは難しいとされていました。しかしながら2年前から西田主任をはじめ手術室スタッフらが新人の看護師教育を工夫、改善したことにより、新人看護師の離職がなくなり、脳外科、心臓外科などの複雑な手術においても器械出しができる若い看護師の数が増え、手術の枠組みの柔軟性や緊急手術の対応能力が向上しました。手術の空き枠を減らすため、月一回の手術室運営会議において外科部長及び麻酔科部長が集まり各診療科の手術枠について定期的な見直しを行い効率化を考えました。臨床工学技士は以前からロボット手術やTAVIなどの先進的手術機器操作や手術中の内視鏡操作などを積極的にサポートしてくれていましたが、昨年度からは、麻酔導入準備や麻酔補助を積極的に行い麻酔医の負担を軽くしてくれています。かつては安全性を重視するという理由から『日勤帯にきた凖緊急手術症例は、全ての予定手術が終わってから手術を開始する』という非効率的なルールがありましたが、新しく麻酔科部長となられた小佐々優子先生がこのルールを撤廃されました。この結果、患者にとっては最善のタイミングで治療ができるようになり、手術を早く始めれば終了も早くなるため、オンコール麻酔医、看護師、外科医らはより早く仕事を終えられるようになりました。日勤帯の業務効率化が進んで手術室スタッフの時間当たり付加価値は大きく向上しています。当院の手術室看護師や臨床工学技士らは向上心を持って業務を行なっており優れた臨床能力を有しているのは明らかです。一方で、地域の急性期民間病院が置かれている環境は厳しさを増しており、不断の努力を行わない民間病院は淘汰される時代になりました。当院手術室の稼働力が、地域医療や法人全体の未来に与える影響は大きいことを我々外科医と麻酔科医は認識すべきであり、基本姿勢として『手術が必要な患者がいて手術室が空いていれば可能な限り手術を行うべき』ことをより大切に考えなければいけないと思っております。— 47 —手術室 統括部長 大坪 諭手術部・麻酔科
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