昨年、他県の透析施設において塩素ガスが発生し、透析スタッフや透析患者が気分不良を訴え、緊急避難を要した事例が発生しました。当時はニュースになり、テレビでも放送されていたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。この事件が発生した原因は、透析装置の洗浄に使用される2つの薬剤 ( 次亜塩素酸ナトリウムと酢酸 ) を補充している作業中に、誤って混ぜてしまった事が原因です。この2つの薬剤を混ぜると、“塩素ガス”という有毒なガスが発生します。透析は大量の水を使用する治療であり、その水質を維持するために、これらの洗浄剤の使用は必要不可欠です。 当院でも同様の事例が起こらないように、対策を強化した取り組みについて学会で発表しました。新古賀クリニック臨床工学技士 本田 貴之九州・沖縄臨床工学会ポスター① 薬液タンクの配置② 塩素ガス発生抑制剤の配置③ シミュレーションの様子(窓をあけて換気)19第19回九州・沖縄臨床工学会 in鹿児島① 薬液タンク配置の変更とラベル表記の明瞭化 2つの薬液タンクの保管場所を変更し、薬液タンクの表記のラベルを分かりやすいように張り替えました。薬液補充の作業は、透析終了後の患者さんがいない時間帯に行うように取り決めました。② 塩素ガス発生抑制剤(セクリターン)の導入 万が一の薬液誤混合時の対応策として、塩素ガスが発生した際に塩素ガス発生を抑制するキットを配置しました。③ シミュレーション訓練の実施 塩素ガスが発生した際の状況を想定し、スタッフ間で訓練を行いました。緊急時でも対応ができるように塩素ガス発生時にどのような対応が必要なのかアクションカードを作成し、誰でも対応できるようにしています。 今後も、毎日の透析が安心・安全に行えるように努めて参ります。他施設での塩素ガス発生事例を受けた当院での対策について他施設での塩素ガス発生事例を受けた当院での対策について他施設での塩素ガス発生事例を受けた当院での対策について
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