平成27年度 新古賀病院 病院指標

指標全てに共通する定義

  • [1]当院を平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に退院された患者さんが対象です。
  • [2]医療保険のみで入院された患者さんが対象となり、自動車賠償責任保険・労災保険・自費等で入院された患者さんは除きます。
  • [3]一般病棟に1度でも入院された患者さんが対象となり、回復期リハビリテーション病棟・緩和ケア病棟のみに入院された患者さんは除きます。
  • [4]入院後24時間以内に死亡された患者さんは除きます。

※各指標による詳細な定義につきましては各指標のページで解説します。

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 3 44 52 177 356 651 1581 1864 1402 263

集計の定義

  • 平成27年度に退院された患者様の年齢階級別の退院患者数です。
  • 各年代は入院日時点のものです。
  • 90歳以上についてはまとめています。
  • 患者数が10件未満の場合は「-」としています。

実績について

当院は地域医療支援病院として平成22年から福岡県より承認を受け久留米二次医療圏及び周辺の病院やクリニックと連携を行い患者さまに安全で質の高い医療を提供を行っております。特に60歳以上の患者様が80%を占めており、疾患別に見ますと心臓疾患、脳疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、生活習慣病疾患などが多く、また、救急車や緊急で来院されて入院された方が約1800名おられます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

集計の定義

  • 各診療科別にDPC14桁分類の患者数の多い症例数上位3つについて『DPCコード』『DPC名称』『患者数』『平均在院日数(自院)』『平均在院日数(全国)』『転院率』『平均年齢』をお示ししています。
  • 入院中に転科があった場合には医療資源を最も投入した傷病を担当された診療科で集計しています。
  • 『転院率』は各『DPCコード』の「転院患者数/全退院患者数」です。
  • 『患者数』が10件未満の場合、『平均在院日数(全国)』以外は「-」としています。
  • 『平均在院日数(全国)』以外が全て「-」となっている診療科においては解説は省略しています。

各名称について

  • [1]『DPCコード』⇒診断群分類を表すコードです。病名・治療内容(手術や処置等)の組み合わせにより14桁のコードに振り分けられます。
  • [2]『DPC名称』⇒『DPCコード』に対する名称です。
  • [3]『患者数』⇒各『DPCコード』に該当する患者数です。
  • [4]『平均在院日数(自院)』⇒当院に入院していた日数の平均値です。退院日も入院日数に含みます。
  • [5]『平均在院日数(他院)』⇒厚生労働省より公表されている平成27年度における全国DPC対象病院の平均在院日数の平均値です。
  • [6]『転院率』⇒各『DPCコード』の当院から他院へ転院された患者さんの割合です。
  • [7]『平均年齢』⇒各『DPCコード』に該当する患者さんの年齢の平均値です。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010070xx99020x 脳血管障害の検査 138 2.01 5.67 0.00% 73.33
010060x099030x 脳梗塞(脳保護剤などを投与した)の治療 106 16.37 18.08 43.40% 75.91
010060x099000x 脳梗塞の治療 49 14.29 15.80 29.17% 72.96

内頚動脈狭窄に対して内膜剥離術等施行後の脳血流動態評価のためのSPECT検査入院が最も多くなっています。2番目と3番目を併せると脳梗塞の急性期病変の入院が最も多くなります。病型によって抗血小板療法(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞)や抗凝固療法(心原性脳塞栓症)を行います。殆ど発症24時間以内の入院が多く、その場合には加えて脳保護療法としてエダラボン(活性酸素除去剤)を用いて活性酸素を低減、脳梗塞による後遺症を軽減することが可能です。更に、発症4~5時間以内であればt-PAによる急性期血栓溶解療法も可能です。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍の手術 98 12.55 13.03 4.08% 69.47
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上)の治療 26 10.27 14.34 7.69% 71.27
040200xx01x00x 気胸の手術 25 6.76 9.68 0.00% 26.72

肺癌に対する外科手術の入院が最も多くなっています。殆ど胸腔鏡補助下で行い患者さんの体への負担軽減を図っています。
次いで肺炎の患者さんが多く、平均年齢も70歳を超えています。
3番目に多いのは気胸に対する外科手術の入院です。これも胸腔鏡補助下に行います。また平均年齢は26歳程度と若いのが特徴です。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。)の手術 34 28.68 25.69 2.94% 70.29
050180xx97xx0x 静脈・リンパ管疾患の手術 27 2.00 3.46 0.00% 62.37
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤の手術 22 19.91 22.62 4.55% 70.41

弁膜症に対する弁置換、弁形成術施行の入院が最も多くなっています。平均年齢は70歳を超えており、平均在院日数が全国平均より若干長くなっています。
次いで、下肢静脈瘤に対するレーザー焼灼術の入院が多くなっています。体への負担が小さく、手術翌日には退院できます。3番目は,腹部大動脈瘤に対する人工血管移植術施行の入院となっています。最近では、ステントグラフト内挿術も行っています。 外科的処置が必要となる心臓の病気、大動脈および末梢血管の病気を専門的に診ています。

婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍の手術 20 9.05 10.18 0.00% 42.25
120090xx97xxxx 生殖器脱出症の手術 - 10.35 9.53 - 71.47
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍の手術 - 7.21 6.50 - 53.93

婦人科は主に女性特有の病気を専門的に診ていますが、入院のほとんどは手術目的です。子宮、卵巣の良性腫瘍および子宮脱の手術の入院が上位をを占めています。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし 385 4.69 4.87 0.78% 70.63
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 99 9.47 11.76 30.3% 79.98
050050xx0203xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2-3あり 95 5.57 11.27 0.00% 70.32

1番目と3番目は狭心症に対する心臓カテーテル治療の入院です。冠動脈ステント、ロータブレーター などを用いて可能な限りの低侵襲治療に積極的に取り組んでいます。狭心症だけでなく急性心筋梗塞等の症例でも心臓カテーテル治療は施行されます。2番目に多いのは徐脈性不整脈に対するぺースメーカー移植術および交換術の入院です。他にも末梢血管疾患に対する治療、不整脈疾患に対する アブレーション治療等を行っています。

糖尿病・内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)の治療 95 15.61 15.35 2.11% 63.96
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡の治療 - 13.18 14.20 - 56.18
100060xxxxxxxx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)の治療 - 14.69 14.30 - 55.92

糖尿病・内分泌・代謝疾患全般を診ていますが、血糖コントロールのための教育入院が最も多くなっています。生活習慣病の代表である糖尿病は発見が遅れると命に関わる合併症を引き起こす危険があります。合併症の検索から、薬剤および栄養指導、運動療法等正しい知識を得て、自分で管理していくことが必要です。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎の内視鏡治療 71 9.45 10.93 4.23% 73.52
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍の内視鏡治療 47 10.45 9.20 2.13% 71.64
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)の内視鏡治療 44 11.39 11.00 2.27% 68.25

実際に最も多いのは大腸ポリープ等に対する内視鏡的切除術の入院ですが、DPC対象症例ではないため上記表には表れません。次いで多いのは、総胆管結石に対する内視鏡的治療(乳頭切開術、結石除去術)の入院です。次いで胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術の入院、3番目は胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術の入院となっています。以上の様に当院では治療内視鏡を積極的に行っています。

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等の手術 53 7.66 7.84 0.00% 64.15
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)の手術 35 9.43 11.98 2.86% 78.06
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)の手術 32 7.44 6.96 0.00% 65.84

1番目と3番目の症例数は胆嚢炎、胆嚢結石に対しての腹腔鏡下胆嚢摘出術施行の入院です。胆嚢炎は胆嚢結石によるものが多く、炎症を伴っている場合には手術が困難になる場合がありますが、そのような場合にでも腹腔鏡下手術で安定した手術を行っています。意外ですが、2番目は肝癌に対する血管塞栓術施行の入院が多くなっています。 消化器外科では、外科的処置が必要となる「消化に関係する臓器を専門的に診ており、腹腔鏡下手術を積極的に導入しております。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 の治療 127 6.57 4.66 0.00% 59.17
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 の手術 77 9.27 6.79 2.60% 60.35
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 の手術 34 10.85 11.63 2.94% 62.21

乳腺外科で最も多いのは乳癌に対する化学療法(エンドキサン+エピルビシンやタキソテール使用)の入院となっています。次いで乳癌に対する手術入院です。2番目は乳房部分切除術(腋窩郭清を伴わないもの)、3番目は乳房部分切除術(腋窩郭清を伴うもの)となっています。当院では乳房温存率が昨年実績89.4%と高くなっております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準 (※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 63 13 19 51 25 32 1 7版
大腸癌 29 23 27 3 48 26 1 7版
乳癌 81 57 48 25 50 65 1 7版
肺癌 58 25 22 17 3 50 1 7版
肝癌 13 20 4 5 11 77 1 7版
※1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
  • 5大癌のUICC病期分類別の患者数です。

UICC病期分類とは

  • 国際対がん連合(UICC)によって定められたTNM分類を用いてがんの進行度合い、いわゆる病期(Stage)を図る指標です。TNM分類はTが「原発腫瘍の拡がり」、Nが「所属リンパ節転移の有無と拡がり」、Mが「遠隔転移の有無」を表しており、このTNMの組み合わせによりStage0~Ⅳに分けることが出来ます。

集計の定義

  • 繰り返し入退院される患者さんは1入院のたびに1件とカウントします(同じ患者さんがH27年度に3回入退院された場合は3件となります)。
  • Stageが「0」のものは集計対象外としています。

実績について

  • 初発から再発の全件数は胃癌203件(StageⅠ:63件)、大腸癌156件(StageⅠ:29件)、乳癌326件(StageⅠ:81件)、肺癌175件(StageⅠ:58件、Ⅱ:25件)、肝癌130件(StageⅠ:13件)、計990件です。
  • 当院の症例を病期分類で見てみると、消化器系癌は早期癌から進行癌まで、外科医、内科医でチームを組み胃癌治療は、ガイドラインに準じて、内視鏡的治療か外科的治療を決定します。 早期胃癌でも外科的治療では、完全鏡視下の腹腔鏡下手術、進行胃癌は、開腹手術を行っております。
  • 大腸癌は、粘膜内癌、粘膜下層への軽度浸潤癌の場合は内視鏡的切除術を行います。 外科的治療では56%を腹腔鏡下手術で行っております。特に肛門近くに病巣があるような高難度手術(直腸超低位前方切除術や内肛門括約筋切除術)は腹腔鏡手術が適している症例が多く、積極的に行っております。
  • 乳癌の手術は年間132件行っております。乳房温存が89.4%と同時再建3%術前化学療法が12%となっています。
  • 肺癌は、内科および外科による検査、治療を行っております。手術件数は98件で化学療法も併用しています。
  • 肝癌では、肝臓切除術とラジオ波焼灼療法及び肝動脈塞栓療法を行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 15 8.20 54.53
重症度 1 40 11.25 79.28
重症度 2 12 12.42 80.00
重症度 3 17 13.47 83.88
重症度 4 5 26.40 79.40
重症度 5 - - -
不明 - - -
  • 成人の市中肺炎の重症度別患者数です。日本呼吸器学会成人市中肺炎診療ガイドライン肺炎重症度分類(A-DROPシステム)の定義に基づき、入院時の状態から重症度を決定し、それぞれ「患者数」「平均在院日数」「平均年齢」を算出しています。

<A-DROPシステム>

  • 1.男性≧70歳、女性≧75歳
  • 2.尿素窒素≧21 または脱水
  • 3.酸素飽和度≦90%
  • 4.意識障害
  • 5.収縮期血圧≦90mmHg
  • 軽 症:1~5いずれも満たさない
  • 中等症:1つまたは2つを有する
  • 重 症:3つを有する
  • 超重症:4つまたは5つまたはショック
  • 不 明:1~5のうち1つでも不明であったもの

集計の定義

  • 入院の契機となった傷病名と最も医療資源を投入した傷病名に対するICD-10コードが「J13~J18$」で始まるものが対象です。

実績について

  • 当院の市中肺炎の重症度別患者数では重症度0及び 1が比較的多いことが特徴となっています。これらはガイドラインでは外来治療を推奨されています。近年市中肺炎は当院のような施設でも、一般の診療所でもほとんどは入院することなく外来治療で完結しています。しかし、軽症例でも外来治療に難渋する難治症例があり、そのような場合は当院関連専門施設の古賀病院21へ紹介しています。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 15 5.53 73.53 0.00%
その他 1 2.00 43.00 0.00%
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 198 18.02 75.80 38.36%
その他 34 22.12 73.88 5.17%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 2 23.00 79.50 0.59%
その他 168 4.42 74.29 0.59%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 16 4.06 62.94 0.00%
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 3 12.33 51.00 0.00%
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
  • 脳梗塞等の分類にあたる患者さんをICD-10コード別に集計しています。

集計の定義

  • 発症日から「3日以内」「その他」に分けて集計しています。
  • 『転院率』は各『ICD10』の患者さんの転院患者数/全退院患者数です。

ICD-10とは

死因や疾病の国際的な統計基準として世界保健機関(WHO)によって公表されている分類です。死因や疾病の統計等に関する情報の国際的な比較や、医療機関における診療記録の管理などに活用されます。


実績について

当院は脳梗塞の発症3日以内の急性期の患者さんの比率は約85%とと多く、救急の患者さんが多く来院されます。平均在院日数でも18日で推移し年齢も平均75才です。治療及びリハビリを行うことで約5分の3(60%)の患者さんが自宅や施設に帰られています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

集計の定義

  • 各診療科別にDPC14桁分類の患者数の多い症例数上位3つについて『DPCコード』『DPC名称』『患者数』『平均在院日数(自院)』『平均在院日数(全国)』『転院率』『平均年齢』をお示ししています。
  • 入院中に転科があった場合には医療資源を最も投入した傷病を担当された診療科で集計しています。
  • 『転院率』は各『DPCコード』の「転院患者数/全退院患者数」です。
  • 『患者数』が10件未満の場合、『平均在院日数(全国)』以外は「-」としています。
  • 『平均在院日数(全国)』以外が全て「-」となっている診療科においては解説は省略しています。

各名称について

  • [1]『DPCコード』⇒診断群分類を表すコードです。病名・治療内容(手術や処置等)の組み合わせにより14桁のコードに振り分けられます。
  • [2]『DPC名称』⇒『DPCコード』に対する名称です。
  • [3]『患者数』⇒各『DPCコード』に該当する患者数です。
  • [4]『平均在院日数(自院)』⇒当院に入院していた日数の平均値です。退院日も入院日数に含みます。
  • [5]『平均在院日数(他院)』⇒厚生労働省より公表されている平成27年度における全国DPC対象病院の平均在院日数の平均値です。
  • [6]『転院率』⇒各『DPCコード』の当院から他院へ転院された患者さんの割合です。
  • [7]『平均年齢』⇒各『DPCコード』に該当する患者さんの年齢の平均値です。

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0871 断端形成術(骨形成を要するもの)(指(手,足)) 5 3.80 11.60 0.00% 69.40
K0102 瘢痕拘縮形成手術(その他) 3 1.00 4.67 0.00% 69.67
K013-21 全層植皮術(25平方センチメートル未満) 2 25.50 22.00 0.00% 73.50

当院のみの特色として、併設の新古賀クリニックにおいて九州地区でも珍しい足専門外来を開いているため、近隣の病院、他県からも足病変で困っている患者様を多く紹介頂いています。その中でも既に感染・足壊疽で入院が必要と判断される重症の糖尿病性足病変の患者様に対し、下腿や大腿といった大切断手術を回避し、足の機能を出来るだけ温存するため足趾のみの切断に留める、断端形成術が最も多くなっています。通常の形成外科の扱う範囲の手術も行っておりますので、次いで外傷や手術痕が気になる方の瘢痕の修正術が多くなっています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭による)慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 44 0.00 12.67 33.33% 74.33
K164-2 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 33 6.85 19.64 21.21% 61.12
K1692 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 26 2.27 20.46 26.92% 65.77

脳神経外科でも最も多い手術は慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。比較的緊急手術となる場合が多くなります。脳腫瘍に対する腫瘍摘出術が2番目に多い症例です。
3番目は脳動脈瘤の破裂を防ぐため動脈瘤の頸部に金属のクリップをかけ瘤内に血流を遮断する手術となります。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 70 1.61 10.80 4.29% 69.36
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 33 3.39 3.73 3.03% 33.88
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 20 1.70 8.20 5.00% 68.80

呼吸器外科では胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術がトータル98件あります。2番目に多いのは気胸に対しての胸腔鏡下肺切除術です。胸腔鏡下手術の利点は低侵襲であり術後の疼痛が少ないため早期回復が期待でき入院日数の短縮、早期社会復帰が可能な手術です。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6173 下肢静脈瘤手術(高位結紮術) 32 0.00 1.00 0.00% 66.81
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 26 0.00 1.00 0.00% 62.15
K5551 弁置換術(1弁のもの) 26 7.62 23.15 15.38% 72.35

心臓血管外科では弁置換術や冠動脈バイパス術及び大動脈解離などの手術も施行していますが、手術件数で多いのは下肢静脈瘤の手術で血流の逆流をなくすため、逆流が起きている静脈を高い位置で縛るのが高位結紮術で、次にはレーザー照射を行うことで静脈を焼灼し、血管を閉塞させる方法を行っています。

婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 21 1.14 5.05 0.00% 51.05
K877 子宮全摘術 19 1.21 7.37 0.00% 45.89
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式)) 13 1.38 8.15 0.00% 68.46

卵巣の良性腫瘍に対して腹腔鏡での摘出術が多く、身体に優しい治療に心掛けています。子宮全摘術は殆どが子宮筋腫に対して行っています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 402 1.14 3.56 1.00% 70.50
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 116 2.53 10.88 9.48% 73.53
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 76 3.07 8.59 6.58% 78.54

循環器内科では、虚血性疾患(心筋梗塞や狭心症など)に対する経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術といった心臓カテーテル治療の件数が多くなっています。また、末梢血管疾患では閉塞性動脈硬化症やシャント狭搾・大動脈瘤などの全身の血管疾患に対する血管治療です。徐脈性不整脈で失神や心不全を伴う症例に対してペースメーカー移植術を行っています。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 279 0.47 1.40 0.39% 65.96
K654 内視鏡的胃出血部位止血術(消化管止血術) 63 0.91 13.19 9.43% 70.02
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 45 1.51 7.89 2.22% 71.44

消化器内科では大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を最も多く行っています。ポリープ切除目的の短期入院です。また、吐血の症例も多いことから内視鏡的消化管止血術も多く行っています。次いで早期胃癌に対する粘膜下層切除術が多くなっております。

消化器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 95 1.64 6.44 1.05% 64.73
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 48 1.65 5.04 0.00% 70.33
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 34 1.06 6.88 0.00% 76.35

消化器外科では高難度肝胆膵手術も行っておりますが、手術件数は腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多く、胆嚢結石、胆嚢炎に対して行っています。次いで鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術が多くなっています。3番目は、肝癌に対する腹腔内血管塞栓術となっています。血管塞栓術とはカテーテルを用いて目的とする血管を特殊な物質で途絶させる方法です。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 77 1.44 6.83 2.60% 60.35
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))) 28 1.39 7.93 3.57% 60.75
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 10 1.50 10.20 0.00% 49.20

乳腺外科では上位3位まで全て乳癌に対する手術になっています。手術件数は132件で、乳房温存率が89.4%と高いのが特徴です。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 25 0.39%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 46 0.72%
異なる - -

集計の定義

  • [1]平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に退院された患者様が対象です。
  • [2]その中でも一般病棟の入院期間を1件とします。(例:8/1一般病棟へ入院⇒8/15回復期病棟へ転棟⇒8/25一般病棟へ転棟⇒8/30退院の場合は一般病棟に2回入院してましたので、2件となります。)
  • [3]最も医療資源を投入した傷病名のDPC上6桁が「130100」「180010」「180035」「180040」で入院の契機となった傷病名のDPC上6桁と同一の場合と、異なる場合で件数と発生率を算出しています。発生率算出の分母は[2]の全退院患者数です。

実績について

  • <敗血症>厚生労働省による平成26年度の全国DPC対象病院集計では、全症例に対する割合で、敗血症は0.56%でした。全国値と当院の平成27年度の数値と比較しますと敗血症(当院では0.39%)は割合が低いことがわかります。
  • 手術・処置などの合併症例に関しては合計46件で透析患者さんのシャント狭窄等が7件、小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの)が7件有り再狭搾等で残りもその他処置に分類される症例が見うけられます。

更新履歴

2016年9月30日
平成27年度病院指標を公開しました。