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  • 睡眠時無呼吸症候群

    2012年6月21日(木曜日)

    テーマ:検査・治療レポート

    検査・治療レポートの第3回目は、
    睡眠時無呼吸症候群の検査についてご紹介します。

    睡眠時無呼吸症候群というと、
    2003年に山陽新幹線の運転士が睡眠時無呼吸症候群による
    眠けで居眠り運転を起こしたことががきっかけで、
    広く知られるようになったと思います。
    この時は大きな事故にはならずに済みましたが、
    居眠りしたまま8分間、26kmを、時速270kmで運転していたそうです。
    そのほかにも、睡眠時無呼吸が原因で、電車やトラック、
    貨物船などで事故が起こっています。


    さて、ではどうして眠けが起こるのでしょうか。

    睡眠時無呼吸症候群とは、その名のとおり、
    寝ているときに呼吸が止まってしまう病気です。
    呼吸が断続的に止まった状態が繰り返されるため、
    日常的に睡眠不足なってしまうのです。
    睡眠中に10秒以上の呼吸停止、
    あるいは浅い呼吸が何度もくり返し起こる病気で、
    その程度が睡眠1時間あたり、5回以上認められる場合に、
    この病気であると診断されます。

    呼吸が停止すると、脳から「呼吸しなさい!」と命令が下るため、
    呼吸が止まるたびに脳は覚醒状態となって、睡眠が中断され、
    深い眠りがとれなくなってしまいます。
    そのため、睡眠時間は長くとっているようでも
    脳や体が休まっていないことが多く、
    起きた時にすっきりしない、頭痛がする、
    昼間の眠けなどが出現してきます。

    睡眠の質が悪くなると、昼間の眠けだけでなく、
    集中力の欠如、全身倦怠感の原因となります。
    実際、運転中にわずか数秒眠ってしまって交通事故をおこす割合は、
    無呼吸がない人と比べて、7倍も多いという報告もあります。

    また、睡眠時無呼吸を治療せずに放っておくと、
    高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの危険な疾患を合併する危険性が
    非常に高いと言われています。
    さらに、糖尿病とも関わりがあることが判ってきており、
    睡眠時無呼吸は生活習慣病の危険因子としても重要な病気なのです。


    眠っている間に症状が現れるため、
    睡眠時無呼吸症候群は自覚しにくいですが、
    以下で思い当たる点がないか、チェックしてみてください。

     ●いびきをかくと言われる
     ●寝ている間に呼吸が止まっていると言われる
     ●息苦しさで目が覚めることがある
     ●睡眠時間は長くとったはずなのに、昼間に眠くなる
     ●朝、起きた時に頭痛がしたり、スッキリしない、頭が重い感じがする
     ●朝、起きた時に口の中が渇いている
     ●夜間、トイレにいく回数が多い
     ●足などにむくみがある
     ●集中力が続かない、体がだるい
     ●血圧が高いと言われる
     ●肥満がある
     ●扁桃腺が大きいと言われる
     ●あごが小さい、後退している

    このような方は睡眠時無呼吸症候群が疑われますので、
    一度専門の検査を受けることをお勧めします。


    古賀病院グループの古賀病院21 スリープセンターでは、
    睡眠時無呼吸症候群をはじめとする
    睡眠障害を調べる睡眠ポリグラフィー検査(PSG)を行っています。
    スリープセンター内の睡眠検査室に一泊してもらい、
    寝る前に、脳波、呼吸運動、心電図、いびき音、
    体の酸素飽和度などのセンサーをとりつけ、一晩中連続して記録します。
    PSG検査で、睡眠の深さや無呼吸の有無、不整脈、いびきの出現時間など、
    睡眠中におこるさまざまな状態を知ることができます。

    検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は治療も行っています。
    詳しくは コチラをご覧下さい。

    睡眠時無呼吸症候群についてもっと詳しく聞いてみたいという方は、
    6月23日(土)14時30分から、新古賀病院5階記念講堂で、
    「睡眠時無呼吸症候群の検査と最新治療」と題して市民の方を対象とした
    セミナーを開催しますので、よろしかったご参加ください。
    入場は無料で、事前のお申し込みも不要です。
    セミナーについての詳細は、コチラからご確認ください。

    (広報担当 ヒガシ)