令和6年度 古賀病院21 病院指標

令和6年度 古賀病院21 病院指標

指標全てに共通する定義

  • [1]対象期間は令和6年6月1日~令和7年5月31日です。
  • [2]医療保険のみで入院された患者さんが対象となり、自動車賠償責任保険・労災保険・自費等で入院された患者さんは除きます。
  • [3]一般病棟に1度でも入院された患者さんが対象となり、回復期リハビリテーション病棟・緩和ケア病棟のみに入院された患者さんは除きます。
  • [4]入院後24時間以内に死亡された患者さんは除きます。

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 22 44 71 124 315 706 1311 1013 323

実績について

整形外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科の診療・手術に引き続き力を入れていきます。また、包括的がん診療体制の質の向上を目指し、PETセンターでの癌の早期発見をはじめとして、泌尿器科におけるダヴィンチ手術など高度な手術療法とともに放射線療法、化学療法など最適な治療が行われる体制の整備に努めています。高齢化が進み、70歳以上の患者さんの入院が引き続き60%を超え、90歳以上の患者さんの増加も目立つようになってきました。整形外科診療では高齢者の骨折入院も多くなっていますが、手術療法とともに元気な社会復帰を目指し急性期・回復期のリハビリテーションを積極的に行っています。高齢心不全、腎不全患者さんへのリハビリテーション、耳鼻科での補聴器・難聴外来、睡眠時無呼吸症候群の鼻マスク治療を行っているのも大きな当院の特徴です。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 55 17.42 17.33 7.27% 84.05
050130xx97000x 心不全 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 21.55 - -
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし - - 16.4 - -
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし - - 16.94 - -
050030xx9900x1 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院 - - 14.82 - -
  • 当院の循環器内科の特徴は心臓/脳血管リハビリテーションです。心臓疾患術後(弁置換術後、冠動脈バイパス術後,急性大動脈解離術後)のリハビリや心不全のリハビリ、脳梗塞後、脳出血後のリハビリを行っております。高齢化社会にともない身体機能、運動耐用能、生活の質の低下が問題となっており、疾病にてさらにADLの低下を認めることが多々あります。当科では患者さんが日常生活をつつがなく送れるように入院リハビリ、外来リハビリを行っております。個々の患者さんに対して各職種より構成された専門の心臓/脳血管リハビリスタッフが一丸となって患者さんをサポートするとともに退院時に於いては環境調整を行っております。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 130 2.00 2.02 0.00% 55.85
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 82 19.68 16.40 15.85% 83.57
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 63 31.97 20.78 30.16% 86.22
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 51 7.94 8.16 0.00% 74.14
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 37 2.59 3.03 8.11% 72.68
  • 当院呼吸器内科の入院診療では、肺癌、間質性肺炎など専門性の高い疾患の診断、治療を積極的に行っています。また、近隣のかかりつけ医から肺炎の紹介にも対応しています。いびきや昼間の眠気を引き起こす睡眠時無呼吸症候群の検査・鼻マスク(CPAP)治療も積極的に行っています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
030340xxxxxxxx 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> 41 3.51 5.12 0.00% 40.32
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 27 4.00 5.84 0.00% 52.93
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり - - 6.68 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.67 - -
030360xxxxxxxx 副鼻腔嚢胞、鼻前庭嚢胞 - - 5.92 - -
  • 入院患者のほとんどがアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎に対する鼻手術目的の入院症例で、この中には鼻中隔弯曲症や、複数疾患の合併例が多く含まれています.全国平均より短い入院日数となっています。 

腎臓内科(人工透析)

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 251 1.37 3.82 0.80% 75.3
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 42 12.33 11.35 14.29% 68.17
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 35 12.57 7.38 5.71% 72.60
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等21あり 28 24.96 33.81 17.86% 75.18
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 25 19.12 13.75 16.00% 73.36
  • 慢性腎臓病保存期には栄養指導をはじめ多職種が関わる慢性腎臓病教育入院を積極的に取り組んでいます。尿検査異常、進行する腎機能障害などの症例に対して、腎生検を実施し確実な診断をつけ治療を行っています。末期腎不全の患者さんの透析導入準備として内シャント造設術(グラフト症例を含む)を行っています。また透析患者さんのシャントトラブルに対してのバルーンカテーテルを用いての拡張術も実施し、緊急の患者さんにも対応しています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 153 27.07 25.29 75.16% 84.37
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 58 30.29 19.16 58.62% 83.83
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 55 48.42 21.38 3.64% 76.53
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 52 11.15 5.95 11.54% 69.85
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 関節鏡下肩腱板断裂手術等 48 16.44 16.15 8.33% 70.60
  • 傷病別で見てみますと、高齢化に伴う骨粗鬆症の影響で発症する大腿骨近位部骨折が1番、脊椎骨折が2番目となっております。病棟運営の努力もあり、大腿骨近位部骨折患者さんの平均在院日数が全国レベルで維持されています。3番目は、高齢者に多い変形性膝関節症に対する手術方法である膝人工関節置換術となりました。これらの在院日数は全国平均より長くなっておりますが、これは当院が回復期病棟を有しているため、しっかりリハビリを行い、自宅へ退院される患者さんが多いためです。4番目は、前腕の骨折の患者さんです。

緩和ケア科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 15 36.00 13.41 6.67% 76.60
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等22あり - - 19.51 - -
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 11.01 - -
110070xx99x0xx 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし - - 9.72 - -
110080xx99000x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 6.74 - -
  • 緩和ケア内科での入院は、癌終末期の患者さんとなります。緊急の疼痛コントロールなどの症状緩和が必要な方や、緩和ケア病棟が満床時に自宅療養が困難であり、病棟で待機するために入院するケースとなります。そのため、平均在院日数も全国平均と比べ比較的長くなっております。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 207 2.82 2.45 0.00% 71.70
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 156 5.31 5.16 2.56% 66.67
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 97 4.27 7.30 5.15% 66.04
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 93 6.10 6.81 1.08% 76.29
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 93 4.01 4.07 3.23% 75.80
  • 当院で最も多い症例は前立腺生検です。前立腺生検でがんの有無を確認し、がんと診断されたものは放射線治療や化学療法・ホルモン療法、手術を適宜行います。2024年度の前立腺癌に対する手術療法は全てロボット手術(ダ・ヴィンチ手術)で行いました。 また、当科が特に力を入れている膀胱鏡・内視鏡手術症例が上位となっており、早期社会復帰を目指す治療を行っており合併症発生も低く抑えることが出来ている為、短い入院となっています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 29 20.10 12.98 10.34% 70.66
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 12 10.92 9.33 0.00% 71.42
080080xxxxxx0x 痒疹、蕁麻疹 定義副傷病なし - - 4.40 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 9.93 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし 定義副傷病なし - - 10.13 - -
  • 帯状疱疹は比較的重症度の高い場合は、帯状疱疹後神経痛の合併を防ぐためにも積極的に入院の上、抗ウィルス薬の点滴及び除痛を行っています。蜂窩織炎などの細菌感染症は患部の安静が必要なこともあります。症状によっては入院の上抗生剤の点滴を行い,糖尿病をはじめとする合併症を持つ患者様の場合、他科との連携の上治療を行います。

放射線治療科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均年齢
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等22あり 21 14.43 19.51 23.81% 73.86
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 11 15.45 18.87 0.00% 76.91
010010xx9903xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり - - 17.40 - -
010010xx9908xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等28あり - - 32.04 - -
03001xxx99x2xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり - - 26.54 - -
  • 当科では近年転移性骨腫瘍の治療や定位放射線治療に力をいれています。転移性骨腫瘍は様々な原発巣の骨転移に対し、緩和照射や脊椎定位放射線治療を行っています。定位放射線治療は肺癌や転移性肺腫瘍、転移性脳腫瘍に対する治療として主に行っています。また、悪性膠芽腫に対する放射線化学療法や食道癌の放射線化学療法も当科で行っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

5大癌 初発 再発 病期分類
基準 (※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 12 11 12 52 12 111 1 8版
肝癌 - - - - - - - -

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

実績について

  • 天神会では、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌に対して、系列病院と連携しながら、早期発見と治療に努めています。私たちは、患者さん一人一人の状態に合わせた個別の治療計画を立て、それぞれに最適な治療を提供することを心がけています。
  • 古賀病院21では、内視鏡検査はもちろん、エコー検査やCT・MRI検査、そしてPET検査を実施しており、これにより迅速かつ正確ながん診断が可能となっています。治療方法においても、内視鏡的治療、化学療法(抗癌剤、ホルモン療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤)、放射線療法など、多岐にわたる選択肢を提供しています。
  • 外科的治療を希望される場合には、系列の新古賀病院と連携して、開腹手術や腹腔鏡手術、特に大腸癌や肺癌においてはダ・ヴィンチ手術も迅速に対応することが可能です。これにより、患者さんの身体への負担を最小限に抑えつつ、効果的な治療を行うことができます。
  • また、当院では緩和ケア内科も設けており、重篤な症状や治療困難な疾患の場合でも、患者さんとその家族の生活の質を向上させるための支援を行っています。緩和ケアチームは、痛みの管理や心理的なサポート、社会的な支援を通じて、患者さんがより良い生活を送れるよう努めています。
  • 天神会は、がん診療において一丸となって取り組んでおり、患者さん一人一人に最適な治療を提供し、その家族までをも支える体制を整えています。私たちは、医療技術の進歩と共に、常に患者さんの側に立った医療を提供することを目指しています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

重症度 患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 11.55 55.60
中等症 89 19.10 79.89
重症 27 23.74 84.85
超重症 - - -
不明 - - -

実績について

  • 当院呼吸器内科では、市中肺炎はかかりつけ医からの紹介を主としています。 軽症、中等症でも外来治療で治療に難渋したものが紹介されるため、これらの割合が比較的多くなっています。肺癌、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患がその次に多い疾患です。

脳梗塞のICD10別患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 15 66.33 81.87 33.33

実績について

当院は回復期リハビリ病棟を有しており、急性期治療後の脳梗塞患者を受け入れています。できるだけ早くご自宅や施設へ退院できるよう、積極的なリハビリテーションを提供しています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 32 0.44 2.16 0.00% 39.38
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 16 0.75 2.19 0.00% 59.25
K347-5 内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術) - - - - -
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) - - - - -
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術) - - - - -
  • 鼻副鼻腔疾患(慢性副鼻腔炎、嚢胞、腫瘍など)に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術が多い結果となっています。重症の鼻炎に対する経鼻腔的翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)や内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術)、鼻中隔弯曲症に対する鼻中隔矯正術は副鼻腔手術と併用して行う事が多いため表には実際の数が反映されていません。また同様に、他の術式との兼ね合いがあるために、他コード(鼻内篩骨洞手術など)で算定している場合も、実際の手技上は内視鏡下鼻・副鼻腔手術3・4型を施行しているケースが多くあります。 以上により、公表されているよりも多くの手術を実際は施行しています。

腎臓内科(人工透析)

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 183 0.43 0.55 2.19% 74.49
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 69 0.06 0.13 0.00% 77.09
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 43 5.42 9.95 6.98% 72.26
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 27 8.00 12.74 18.52% 76.37
K616-7 ステントグラフト内挿術(シャント) - - - - -
  • 末期腎不全の患者さんの透析導入準備として内シャント造設術(グラフト症例を含む)を行っています。また透析患者さんのシャントトラブルに対してのバルーンカテーテルを用いての拡張術も実施し、緊急の患者さんにも対応しています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 93 2.59 44.34 5.38% 74.41
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 85 3.22 23.52 74.12% 83.49
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 83 3.02 22.71 66.27% 83.24
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 62 1.79 11.85 16.13% 68.00
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 50 1.02 4.14 0.00 65.02
  • 当院の手術患者数は令和6年度938例でした。人工関節置換術(肩,股,膝)が1番目でした。2番目、3番目は高齢者に多い人工骨頭挿入術、骨折観血的手術でした。 各分野を専門とする医師がそろい、多彩な疾患に対応出来ることが当院の特徴の一つになっております。また当院は回復期病棟を有しているため手術後、継続してリハビリを行い自宅退院を目指すことも可能です。このため、すべての手術症例で転院率はかなり低くなってます。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 203 0.67 3.28 5.91% 71.38

 

K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 160 1.29 4.71 1.88% 74.97
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 157 1.89 3.22 3.18% 66.73
K841-22 経尿道的レーザー前立腺切除術・蒸散術 ツリウムレーザーを用いるもの 55 1.02 5.22 0.00% 72.98
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 34 1.00 7.26 0.00% 68.26
  • ロボット支援手術を含む、膀胱鏡・内視鏡下手術に特に力を入れて治療を行っておりロボット支援根治的前立腺全摘、経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が上位となりました。 緊急手術を必要とする感染を伴う尿路結石等の症例も近隣施設より積極的に受け入れており、尿管ステント留置術も多くの症例数となりました。前立腺癌治療は自費診療のTULSAも行っておりますので、前年度と前立腺癌治療全体の件数は変わりありません。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 10 0.25%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 10 0.25%
異なる - -

実績について

  • 敗血症の割合は全症例のうち0.25%でした。
  • 処置・合併などの合併症例に関しては合計10件で、こちらも全体の0.25%です。

医療の質指標

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスク
レベルが「中」以上の手術を
施行した退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された
患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の
手術を施行した患者の肺血栓
塞栓症予防対策の実施率
711 643 90.44%

実績について

  • 下肢慢性閉塞性動脈硬化症がある場合を除き、ほぼ全例に下肢弾性ストッキング装着と術後、下肢静脈血栓予防薬を投与しています。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
506 329 65.02%

実績について

  • 当院は、患者さんの命に関わる敗血症などの重症感染症を迅速かつ正確に診断するため、血液培養複数セット率の向上に取り組んでいます。複数セットを採取する意義は、起炎菌と汚染菌を区別することで検査の精度を高める点にあります。結果的に、不必要な抗菌薬の使用を防ぎ、薬剤耐性菌の発生抑制につながります。当院は感染対策向上加算1の施設基準を満たしており、感染管理室に抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を擁しています。多職種によるカンファレンスを通じて、エビデンスに基づいた感染症診療を推進しています。私たちは、このような活動を通じて、安全で質の高い医療を提供いたします。 ※本指標は、QIプロジェクトが推奨する定義に基づいて算出しています。一般的な複数セット率とは疾患定義が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数
(分母)
分母のうち、入院日以降
抗菌薬処方日までの間に
細菌培養同定検査が実施
された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬
使用時の細菌培養
実施率
356 240 67.42%

実績について

  • これまで同様に、原則広域抗菌薬使用前に届出制を導入しています。 2024年度は広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率が低下しているのは、血液培養ボトルの出荷規制があった影響が考えられます。規制解除以降は、以前の水準に戻って血液培養の2セット採取率は向上しています。 培養結果を確認して抗菌薬の狭域化・広域化など適正使用に繋げています。また、追加で必要な培養が推奨される場合には、ASTから主治医へ追加の培養検査を打診しています。

転倒・転落発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数
(分母)
退院患者に発生した
転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
53395 157 2.94%

実績について

  • 2024年度の転倒・転落発生割合は2.94‰と全国平均値とほぼ同水準からわずかに高めという結果でした。 高齢化に伴って認知症の患者が多くなっていること、せん妄や手術後などの要因があると考えています。 今後も引き続きアセスメントを充実させ、転倒・転落予防対策を徹底する事で発生率の減少に努めていきたいと考えています。

転倒・転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数
(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数
(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
53395 29 0.54%

実績について

  • 当院における転倒・転落による重大損傷(3b以上)の発生率は0.54‰であり、全国平均(0.5~1.0‰)と比較すると標準的な水準でした。高齢患者や術後患者、排泄動作の多い泌尿器科患者、呼吸器疾患患者などリスクの高い状況です。 重大損傷は依然として患者QOLの低下や在院日数の延長に直結するため、今後は発生事例の詳細分析をもとに、夜間・排泄動作・離床期といった高リスク場面での重点的予防介入を強化し、重大損傷ゼロを目指して取り組む必要があると考えます。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1395 1395 100.00%

実績について

  • 全身麻酔手術は1395件行われ、いずれも手術開始1時間以内に適切に予防的抗菌剤投与が行われました。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
51940 28 0.05%

実績について

  • 当院は急性期・回復期病院として褥瘡リスクの高い環境にありながら、褥瘡発生率(DESIGN-R d2以上)0.05%を達成しております。これは全国平均(約0.14〜0.15%)を大幅に下回る数値です。入院時評価に基づくマットレス選択、体位変換・ポジショニング、皮膚観察の徹底、栄養管理といった全身的取り組み、そしてリハビリ・栄養士との連携による予防的介入が効果的に機能した成果です。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された患者数
(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
2782 2734 98.27%

実績について

  • 日帰り、1泊2日入院以外の患者さんには基本的に入院当日~翌日までに病室訪問、栄養評価を実施しており、ほとんどの入院患者さんには入院早期の栄養介入を行っています。

身体的拘束の実施率

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
53395 4792 8.97%

実績について

  • 当院の身体拘束実施率は8.97%と全国平均(おおよそ3~5%)と比較するとやや高い水準にあります。対象患者の多くは高齢者で整形外科、泌尿器科領域の術後せん妄や転倒リスクの高い症例、さらに誤嚥性肺炎を契機とした入院患者において認知機能低下やせん妄が重なり点滴・チューブの抜去リスクも高い状況です。 2025年4月より身体拘束最小化チームを立ち上げ活動を始めました。せん妄予防ケアや環境調整、見守り体制の拡充など多職種で協働し、できる限り身体拘束を回避出来るよう努めていきます。

更新履歴

2025年9月30日
令和6年度病院指標を公開しました。
2024年9月30日
令和5年度病院指標を公開しました。
2023年9月29日
令和4年度病院指標を公開しました。
2022年9月29日
令和3年度病院指標を公開しました。
2021年9月27日
令和2年度病院指標を公開しました。
2020年9月29日
令和元年度病院指標を公開しました。
2019年9月30日
平成30年度病院指標を公開しました。
2018年9月29日
平成29年度病院指標を公開しました。
2017年9月30日
平成28年度病院指標を公開しました。
2016年9月30日
平成27年度病院指標を公開しました。
令和4年度 古賀病院21 病院指標 /about/kh21_shihyo.r4.html